ー オンライン講座を運営する女性起業家 Kさんからのご相談 ー
「集客方法を調べるほど、自分が何を伝えたい人なのかわからなくなってきました。
Instagramの伸ばし方、ショート動画、LINE導線、セミナーの作り方、AIを使った発信など、必要そうなことはかなり勉強しています。
商品もありますし、お客様から喜んでもらえた経験もあります。
ところが最近、
『あなたは、なぜこの仕事をしているんですか?』
と聞かれた時に、うまく答えられませんでした。
『女性の役に立ちたいから』
『お客様に変わってほしいから』
『自分の経験を活かしたいから』
という言葉は出るのですが、どれも自分で聞いていて浅い気がします。
そのせいなのか、発信も毎回『今日は何を投稿しよう?』から始まり、他の起業家さんの投稿を見ると、すぐに自分の方向性が揺れます。
売れる方法をもっと勉強した方がいいのか、商品を作り直した方がいいのか、そもそも仕事の方向を変えた方がいいのかもわかりません。
自分がこの仕事をする理由って、どうやって見つければいいのでしょうか?」

ー YELL’s大学 学長 吉野加容子より ー
そんな時こそ、すぐに新しい売り方を探しに行く前に、
「私は、本当は何を伝えたいんだろう?」
という問いを研究してみてください。
答えをきれいに作る必要はありません。
なぜ、このテーマが気になる?
なぜ、この人を見ると放っておけない?
なぜ、この仕事だけは諦めたくない?
過去の自分は何に困っていた?
どんな未来だけは、次の人に経験させたくない?
自分だけの問いを持つと、調べる情報も、発信する言葉も、企画する商品も変わってきます。
答え探しより先に、あなたにしか持てない問いを見つける。
そこから仕事のWhyを研究していきましょう。
発信が定まらない時、足りないのは「投稿ネタ」ではなく、何を伝えたいかを決める問いかもしれません。
何を投稿する?
どう売る?
どう集客する?
より一段深く、
「なぜ私は、この仕事をしている?」
を研究してみます。
こんなお悩みはありませんか?
- 発信テーマが毎回変わる
- 他の起業家の発信を見ると方向性が揺れる
- 自分の商品を一言で説明できない
- 「なぜこの仕事?」と聞かれると止まる
- 集客ノウハウばかり増えている
- 自分に合う発信方法を探し続けている
- 商品を売ることに違和感がある
- 昔は情熱があったのに今は作業になっている
- お客様に何を届けたいのか曖昧になった
- 仕事の軸をもう一度見つけ直したい
この記事でわかること
- 売り方を学んでも発信が定まらない理由
- 仕事のWhyを見つけるための考え方
- なかのかほさんの記録に残るWhy
- 仕事内容の奥にある「本当に届けたいもの」の見つけ方
- 過去の経験を仕事の問いへ変える方法
- 自分だけの問いを見つける5ステップ
- Whyを発信・商品・判断基準へつなげる方法
- AIをWhy探索の壁打ち相手にする方法
この記事のポイント
仕事に迷った時、
すぐに答えを探すのではなく、
問いを変えてみる。
どう売る?
↓
私は何を伝えたい?
何を発信する?
↓
私は何を放っておけない?
何の商品を作る?
↓
誰のどんな未来を変えたい?
問いが変わると、探す答えも変わります。


売り方を探しているのに、なぜ余計に迷うのか?
女性起業家が仕事に迷った時、最初に探しやすいのは「方法」です。
Instagramの伸ばし方。
売れる商品の作り方。
セミナーの集客方法。
AIで投稿を作る方法。
検索すれば、たくさんの方法が見つかります。
その一方で、「私は何のために、この方法を使いたい?」が曖昧なままだと、情報を選ぶ基準を持ちにくくなります。
Aさんは毎日リール。
Bさんは長文投稿。
Cさんは広告。
Dさんはセミナー。
全部が正しそうに見え、次々に方法を変えたくなります。
方法が多すぎることだけが問題ではありません。
「私は何を実現するために、この方法を選ぶ?」
という選択基準が曖昧になっていないかを確認してみます。
YELL’s大学で大切にしているのは「答え」より「問い」を見つけること
YELL’s大学の探索スイッチの講義では、研究について、正解を出すことだけを目的にするのではなく、問いを見つけることから始めるという考え方を扱っています。
仕事についても同じです。
「売れる商品は何?」
という答えだけを探す前に、
私は本当に伝えたいことって、そもそも何なんだろう?
という問いを持ってみます。
すると、調べる対象そのものが変わります。
競合の売り方だけではなく、自分の過去、お客様との会話、悔しかった経験、何度も気になるテーマ、自分が変えたい当たり前も研究材料になります。
なかのかほさんの仕事は「家事を早く終わらせる」だけではない
なかのかほさんは、タイムクリエイトlabのトレーナーとして活動しています。
My Produce Designには、
「家事をするほど子どもが伸びる」
1日1時間で終わる家事の段取りで、
子どもの好奇心を拡げる専門家
という仕事の表現が記録されています。
さらに別の記録では、タイムクリエイトlabで教えている段取りについて、
ママの「本当はこうしたい!」を
最短ルートで叶える
時間の使い方・考え方
と表現しています。
つまり、表面にある「家事の段取り」の奥には、
その人が本当は生きたい人生へ進むために、時間の使い方を変える
という意味が見えてきます。
仕事内容とWhyは同じではない
ここを分けると、自分の仕事を研究しやすくなります。
WHAT|何を提供している?
家事の段取り、時間の使い方・考え方。
HOW|どう届けている?
トレーニングや実践を通して、日常で使える形へする。
WHY|なぜ、それを届けたい?
その奥にある本人の経験、価値観、変えたい未来を探索する。
仕事内容だけを説明していると、似たサービスとの違いが見えにくくなることがあります。
そこで、
「私は、なぜこれを教えたい?」
へ進みます。
かほさんのMy Produce Designに書かれていたWhy
かほさんのMy Produce Designには、未来設計のWhyとして、仕事の奥にある価値観がかなり具体的に言葉にされています。
人生は自分次第!
人生はキミが思うより
もっと楽しんでいいんだよ
さらに、その奥には、過去の経験とつながる強い言葉も記録されています。
もう生きることの後悔をしたくない、させたくない。
毎朝、今日が楽しみで仕方がない。
そんなハジマリを迎えたい、迎えさせたい。
これは「家事を何分で終わらせるか」という機能だけではありません。
どんな人生を生きる人を増やしたいのかまで言葉になっています。
Whyを見つける時は「立派な理念」を作ろうとしない
ここで陥りやすいのが、会社案内に載せられるような立派な理念を最初から作ろうとすることです。
「女性を輝かせたい」
「社会を良くしたい」
「お客様を幸せにしたい」
もちろん、それが本人の実感から出た言葉なら大切です。
一方で、言葉だけを整えると、自分自身がなぜそこまでやりたいのかが見えなくなることがあります。
そこで先に探したいのが、
- 忘れられない経験
- 今でも悔しいこと
- 昔の自分へ伝えたいこと
- お客様を見ていて放っておけない瞬間
- 何度も語ってしまうテーマ
- 「これはおかしい」と感じる当たり前
- 自分が人生をかけて研究したい問い
です。
Whyは、きれいな言葉を作る作業ではありません。
過去の経験。
悔しかったこと。
変えたい当たり前。
届けたい相手。
これから実現したい未来。
それらをつなぎながら、
「だから私は、これをやる」
を発見していく探索です。
「自分のWhy」を見つける5つの問い
「好きだから」だけで終わらず、なぜ気になるのかを考えます。
似たテーマがたくさんある中で、なぜこれなのか。
自分の感情が強く動く理由を探します。
現在の商品から考えるのではなく、過去へ戻ります。
何に悩んでいた?
何を知らなかった?
誰に何と言ってほしかった?
自分自身の経験を研究材料にします。
属性ではなく、具体的な場面を思い出します。
諦めようとしている時?
自分を責めている時?
時間がなくて夢を後回しにしている時?
自分が強く反応する場面に、届けたい価値のヒントがあります。
今の商品名、肩書き、サービス内容を一度横に置きます。
それでも人へ伝えたいことは何か。
商品より長く残るテーマを探します。
商品を買った直後の成果から、さらに先へ進みます。
時間が増えた先で何をしてほしい?
売上が上がった先でどう生きてほしい?
自信がついた先で何へ挑戦してほしい?
「商品で変えること」から「人生で変えたいこと」まで視点を広げます。
Whyが見つかると「何を発信する?」の答えも変わる
Whyがない状態では、投稿を一つずつ考えます。
今日はノウハウ。
明日はお客様の声。
次は流行している投稿。
その結果、一つひとつは良くても、全体として「この人は何を伝えたい人?」が見えにくくなることがあります。
Whyが言葉になると、
この投稿は、私のWhyにつながる?
この企画は、私が変えたい未来につながる?
この商品は、本当に届けたい人を助けられる?
この仕事を増やすことは、私がつくりたい未来につながる?
という判断がしやすくなります。
Whyは「プロフィールに書く言葉」だけではなく判断基準になる
Whyを見つける目的は、かっこいい理念文をプロフィールへ載せることだけではありません。
本当に使いたいのは、日々の判断です。
新しい仕事の依頼が来た。
新商品を作りたくなった。
誰かの発信を見て焦った。
売上が落ちて方向転換したくなった。
そんな時に、
「私は何を売りたい?」
ではなく、
「私は、何を実現したくてこの仕事をしている?」
へ戻ります。
AIには「私の理念を作って」より、Whyを掘る質問をしてもらう
AIを使ってWhyを考える場合、最初から完成したブランド理念を作ってもらうと、きれいな言葉だけが先に完成することがあります。
そこで、AIには答えを作る役より、問いを深める役を任せます。
探究クラスの視点|答えを決めるより「なぜ?」を深く研究する
なかのかほさんは、HEROコード診断の再診断で探究クラスとなり、メインHEROタイプもアナリストという結果が記録されています。
この変化は、以前より優れた状態になったという意味ではありません。
その時の本人が、新しく知ること、自分なりに調べること、分析しながら深めていくことへ興味を向けている状態として読み解かれていました。
仕事のWhyについても、最初から一つの正解へ固定するより、
なぜ私はこれが気になる?
なぜこの人を応援したい?
なぜこの経験を忘れられない?
なぜ私はこの仕事を続けたい?
と問いを持ち続けることで、自分の仕事をさらに深く研究できます。
動画で見る|役割の正解から、自分自身の未来を問い直したストーリー
仕事のWhyがわからない女性起業家のFAQ
- Q1. 「なぜこの仕事をしているの?」に答えられないのは、仕事が合っていないからですか?
-
すぐに「仕事が合っていない」と判断する必要はありません。長く仕事を続けていると、最初は強く感じていた問題意識が日々の業務に埋もれ、集客、納品、SNS、売上などの目の前の仕事が中心になることがあります。その結果、何をしているかは説明できても、「なぜ自分がこれをするのか」が言葉にならなくなることがあります。そんな時は転職や商品変更を急ぐ前に、自分の記録をさかのぼってみてください。最初のお客様に何を届けたかったのか、どんな悩みを見ると放っておけなかったのか、自分自身は過去に何に困っていたのか、仕事を始めた頃に何へ怒りや希望を感じていたのかを探します。さらに「今もそのテーマに心が動く?」と現在の自分へ問い直します。過去と今がつながるなら、仕事そのものより言葉や届け方を更新する時期かもしれません。反対に、今は別のテーマへ強く心が動くなら、それも大切な研究材料です。答えを急いで決めるより、現在地を知る問いから始めてみてください。
- Q2. Whyは「人の役に立ちたい」では弱いのでしょうか?
-
「人の役に立ちたい」という想い自体が弱いわけではありません。大切なのは、そこからもう一段具体化できるかです。誰の、どんな瞬間を見ると助けたいと思うのか。その人に何が起きると自分は嬉しいのか。なぜその問題だけは放っておけないのか。自分のどんな経験とつながっているのか。ここまで掘ると、同じ「人の役に立ちたい」からも一人ひとり異なるWhyが見えてきます。たとえば、時間術を教える仕事であっても、時間を増やすこと自体が最終目的とは限りません。増えた時間で子どもとの時間を楽しんでほしいのか、自分の夢へ挑戦してほしいのか、やらなければならないことだけで人生を埋めてほしくないのかによって、伝える言葉や企画は変わります。最初から一文の理念にまとめず、「誰のどの場面を変えたい?」「変わった先で何をしてほしい?」と具体的な情景まで考えてください。Whyは抽象度を上げるだけではなく、自分の経験と届けたい未来を結び直すことで輪郭が見えてきます。
- Q3. Whyが決まるまで、発信や商品づくりを止めた方がいいですか?
-
完成するまで止める必要はありません。むしろ、発信やお客様との会話を続けることで、自分のWhyが具体化することがあります。たとえば投稿した内容の中で、自分が特に熱を込めて書けたテーマを記録する。お客様との相談で、時間を忘れて話した内容を残す。「この話だけは何度も伝えたい」と感じた瞬間をメモする。反対に、売れると言われて作った企画なのに自分の言葉が出てこなかった経験も材料になります。Whyは机の上だけで完成させるものではなく、仮説を持って発信し、人と話し、自分の反応を記録しながら育てることができます。「今の仮説では、私は○○を変えたいからこの仕事をしている」と一度言葉にし、一週間その視点で発信してみてください。その結果、もっと話したくなったのか、違和感が増えたのか、新しい問いが生まれたのかを振り返ります。仕事を止めて答えを待つより、考動と記録を使って自分のWhyを研究していく方法があります。
- Q4. 過去のつらい経験がないと、強いWhyは作れませんか?
-
大きな挫折や劇的な経験が必須というわけではありません。Whyの材料になるのは、強烈な過去だけではなく、日常で繰り返し感じてきた小さな違和感、好きで調べ続けていること、誰かを見た時に自然と応援したくなる気持ち、自分が大切にしている選択なども含まれます。「私は苦労したから救いたい」という形だけが仕事の原点ではありません。「これを知ると毎日がもっと面白くなるから伝えたい」「この方法を研究すること自体が好き」「この人たちの才能が伸びていく環境を作りたい」という願いもWhyになり得ます。まずは過去の人生から強いエピソードを無理に探すのではなく、「何の話なら何度もできる?」「何を調べている時に時間を忘れる?」「どんな変化を見ると自分まで嬉しくなる?」と問いを広げてみてください。そして複数の答えを並べ、共通している価値観を探します。Whyはドラマの大きさではなく、自分がこれからも問い続けたいテーマとつながっているかを研究することが大切です。
- Q5. Whyを見つけた後、ビジネスにはどう活かせばいいですか?
-
最初にプロフィール文章へ入れるより、日々の判断へ使ってみるのがおすすめです。たとえば新商品を考える時に「これは私が変えたい未来につながる?」、投稿を作る時に「この内容は本当に伝えたいことにつながる?」、仕事を依頼された時に「この仕事を増やすことは、私が作りたい未来へ近づく?」と問いを置きます。Whyが判断基準として機能すると、流行している方法を見つけるたびに全部取り入れる必要がなくなり、自分が研究すべき情報を選びやすくなります。その上で、Whyから発信テーマを3〜5個へ分解したり、商品を通してお客様が得る変化を整理したり、サービスの説明文へ反映したりします。重要なのは、一度決めたWhyを永久に固定しないことです。お客様との出会いや自分自身の成長によって、言葉が深くなることもあります。月に一度、「今もこの問いに心が動く?」「新しく見つかった経験は?」と記録を見直し、仕事とWhyのつながりを更新していくと、理念が飾りではなく実際の判断に使える軸へ育っていきます。
この記事の監修|吉野加容子


吉野加容子
YELL’s大学 学長。学術博士。脳科学・学習行動の専門家。
YELL’s大学では、知識や診断結果を知って終わるのではなく、自分で問いを持ち、考え、決め、動き、その経験を記録しながら次の考動へつなげることを大切にしています。
仕事づくりについても、世の中にある正解を集めることだけをゴールにはしません。
「私はなぜこれを伝えたい?」「どんな当たり前を変えたい?」「誰のどんな未来をつくりたい?」という本人だけの問いを持ち、仮説と実践を繰り返しながら仕事の軸を研究することを大切にしています。
情報が増える時代だからこそ、方法を増やすことと同時に、何を選ぶかを決める自分自身の基準が必要になります。
この記事でも、売り方の正解を増やす前に、自分の経験・感情・届けたい相手からオリジナルの問いを発見し、Whyを発信や企画、日々の判断へつなげていくという視点から解説しています。
監修:吉野加容子(学術博士/脳科学・学習行動の専門家/YELL’s大学学長)
まとめ|売り方に迷ったら「私はなぜこれをやる?」へ戻る
発信が定まらない。
商品に自信が持てない。
周りを見るたびに方向性が変わる。
そんな時、新しい方法を一つ増やす前に問いを変えてみます。
どう売る?
ではなく、
なぜ私はこれを伝えたい?
何を投稿する?
ではなく、
私は何を放っておけない?
何の商品を作る?
ではなく、
この人にどんな人生を生きてほしい?
そして、
私はなぜ、この仕事をする?
すぐに完璧な答えが出なくても構いません。
自分だけの問いを持ち、仕事をしながら答えを研究していく。
その過程そのものが、自分の仕事を自分の言葉へ変えていきます。
自分が進みたくなる問いを、HEROコード診断から研究する
仕事のWhyを考えても止まってしまう時は、自分がどんなことに興味を持ち、どんな場面で考動が止まりやすいのかも研究材料になります。
HEROコード診断では、未来へ進む時のアクセルとブレーキを見える形にし、自分自身を研究する問いを見つける入口として診断を活用します。





























