ー 「メンバーの強みを伸ばしたいのに、本人に聞いても『特にありません』で終わってしまいます」という代表者からのご相談 ー
「チームの一人ひとりが、もっと自分の得意を活かして働けるようにしたいと思っています。
私から見ると、
『この子、こういうところすごく得意なのにな』
と思う場面はあります。
例えば、
新しい企画のアイデアがすぐ出てくる人。
お客様の小さな変化によく気づく人。
複雑なことを整理するのが上手な人。
誰かが困っていると自然に動ける人。
だけれども本人に、
『あなたの強みって何だと思う?』
と聞くと、
『うーん、特にないです』
『これくらい普通じゃないですか?』
と返ってきます。
本人が強みだと思っていないので、
仕事を任せようとしても、
『私より得意な人がいると思います』
と引いてしまうこともあります。
結局、私が
『あなたはこれが得意だからやってみて』
と配置を考え続けています。
本人自身が自分の強みに気づいて、
『私はこれが得意だから、ここで使ってみます』
と動けるようになったら、もっとチームは変わると思うんです。
本人にとって当たり前になっている強みは、
どうしたら見つけられるのでしょうか?」

ー YELL’s大学からの回答 ー
強みを見つけようとした時、
最初から
「あなたの強みは何?」
と聞いても、本人には見つけにくいことがあります。
なぜなら、
本当に自然にやっていることほど、
本人にとっては「普通」だからです。
そこで研究したいのは、
「何がすごい?」ではなく、
「この人は、昔から何を自然にやってきた?」
ということ。
本人が遊びだと思っていたこと。
つい考えてしまうこと。
頼まれていないのにやってしまうこと。
周りより細かく見てしまうこと。
その中に、
本人もまだ「強み」と呼んでいない力が
隠れているかもしれません。
そして大切なのは、
強みを発見して終わらないこと。
「じゃあ、この力を今の仕事や未来にどう使う?」
まで実践して初めて、
強みが本人を動かす力になっていきます。
本人が「強みはありません」と言う時、本当に強みがないとは限りません。
むしろ、当たり前すぎて「これは誰でもできる」と思っていることの中に、その人らしい力が隠れていることがあります。
なかのかほさんにとって、それが「妄想する力」でした。
この記事では、なかのかほさんが、子どもの頃から自然にやっていた「妄想」を「強みとも思ってなかった」状態から、HEROコード診断とHEROアカデミーを通して自分の得意として発見し、未来を描く実践へ使い始めた事例を紹介します。
その変化から、本人も気づいていない強みをどう発見し、仕事や育成の中で“使える強み”へ変えていくのかを研究します。
動画で見る|「当たり前すぎて気づかなかった強み」が見つかるまで
こんなお悩みはありませんか?
- メンバーに「強みは何?」と聞いても答えが出てこない
- 代表から見ると得意なことがあるのに、本人は「普通です」と言う
- 本人が自信を持てず、仕事を任せようとすると一歩引いてしまう
- 適材適所にしたいが、代表が一人ひとりの配置を考え続けている
- メンバー自身に「私はこれが得意」と言えるようになってほしい
- 強み診断を受けても、実際の仕事でどう使えばいいかわからない
- 今いるメンバーの力をもっと活かしたい
この記事でわかること
- 本人が自分の強みに気づきにくい理由
- 「当たり前」の中から強みを発見する視点
- 診断結果を知って終わらせない方法
- 強みを仕事や実践につなげる考え方
- 代表がメンバーの強みを発見するための質問
- 「代表が配置する組織」から「本人が強みを使う組織」へ変わるヒント
なかのかほとは?
なかのかほ ⌇ 子どもの「好き」を得意に育てる
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なぜ本人は、自分の強みに気づけないのか?
強みという言葉を聞くと、私たちはつい、
- 人より圧倒的に上手なこと
- 資格を持っていること
- 成果を出していること
- 周りから褒められること
- 仕事として成立していること
を探そうとします。
ところが、本人にとって自然すぎる力は、この条件から漏れやすくなります。
なぜなら、本人はその行動に対して、
「頑張ってできるようになった」
という感覚さえ持っていない場合があるからです。
気づけばやっている。
昔から好きだった。
他の人も普通にできると思っていた。
だからこそ、本人に
「あなたの強みは?」
と聞くだけでは出てこないことがあります。


Before|「妄想」は得意だった。だけれども強みとは思っていなかった
なかのかほさんには、子どもの頃から自然にやっていたことがありました。
それが、妄想することです。
空を飛べたらどうなるだろう。
そんなふうに、頭の中で世界を膨らませることを昔からしていました。
ところが本人にとって、それはあまりにも自然なことでした。
誰かに見せるものでもない。
仕事につながるものでもない。
だから、「自分の強み」だとは認識していなかったのです。
転換点|「昔から自然にやっていたこと」を強みとして見つけた
かほさんの中にあった力を強みとして捉え直すきっかけになったのが、HEROコード診断とHEROアカデミーでした。
それまで「妄想」でしかなかったものを、
「これは、自分が得意なことなのかもしれない」
と見直していきます。
さらにHEROアカデミーでは、その力を、AI小説や未来画像、一日の情景など、未来を具体的に描く実践へ発展させていきました。
つまり、
昔から自然にやっていたこと
↓
強みとして認識する
↓
未来を描くために使ってみる
↓
実践・記録・アウトプットへつなげる
という変化が起きていきました。
インタビュー|「強みとも思ってなかった」ものが、自分の得意に変わった
Q. 自分の得意に気づいた時、どんな変化がありましたか?
なかのかほさん:
「私ってこれが得意なんだ、っていうのが見えてきたりとか」
Q. 「妄想すること」は以前から得意だったのでしょうか?
なかのかほさん:
「妄想って、私ちっちゃい頃から得意だったんですよ」
「もしこの空を飛べたら、とか、そういう妄想ってすごいしてたんだけど」
Q. その頃から「これは自分の強みだ」と思っていましたか?
なかのかほさん:
「強みとも思ってなかったし、仕事につながるとかも思ってなかった」
Q. 何が、自分の得意だと気づくきっかけになりましたか?
なかのかほさん:
「私、そういえばここめちゃめちゃ得意だわって気づいたのが、最初のHEROコード診断とHEROアカデミーで大きかった」
After|「妄想する人」から、自分の強みで未来を描く人へ
ここで重要なのは、診断によって新しい能力が突然追加されたわけではないことです。
妄想する力は、もともとかほさんの中にありました。
変わったのは、
その力を本人がどう捉え、何に使うか
です。
HEROコード診断で自分の中にある力を捉え、HEROアカデミーでは、AI小説、未来画像、一日の情景などへ未来を具体化していきました。
さらに、実践し、記録し、アウトプットする。
それまで本人の中だけにあった「妄想する力」が、未来を具体的に描き、次の実践へつなげるために使う力へと発展していったのです。
メンバーの強みを見つけたい代表が研究したいこと
この事例を組織づくりに置き換えると、代表が研究したいのは、
「この人は何ができる?」だけではありません。
例えば、こんなところに強みのタネがあります。
- 頼んでいないのに自然にやっていること
- 本人だけが細かく気づいていること
- 昔から好きで繰り返していること
- 周りからよく頼まれること
- 本人が「これくらい普通」と思っていること
- 他の人が時間をかけるのに、本人は自然にできること
- 仕事以外でも何度も現れている考え方や行動
強みを探す時に、現在の職種や役職だけを見る必要はありません。
かほさんの「妄想する力」も、もともとは本人が仕事につながるとは思っていなかったものです。
「あなたの強みは?」ではなく、こんな質問をしてみる
本人の「当たり前」を見つける7つの質問
- 子どもの頃から、気づくとやっていたことは何?
- 仕事で「なんでみんなここに気づかないんだろう?」と思うことはある?
- 周りからよく頼まれることは何?
- 時間を忘れて考えたり、やったりできることは何?
- 「これくらい誰でもできる」と思っていることは何?
- 最近、誰かから「それ得意だよね」と言われたことはある?
- その力を今の仕事で今より使うなら、どこで使えそう?
最後の質問まで入れることがポイントです。
強みを発見して、
「へえ、私ってそうなんだ」
で終わるのではなく、
「じゃあ、この強みをどこで使う?」
まで進めることで、仕事の中の考動につながっていきます。
強みを見つけた後に「仕事に関係ない」で捨てない
メンバーから強みのタネが出てきても、
「それは仕事とは関係ないね」
とすぐに切ってしまうと、本人の力を狭く見てしまう可能性があります。
例えば、
- 妄想する → 未来や企画を描く
- 人の表情をよく見る → 顧客やメンバーの変化を察知する
- 細かい違いが気になる → 品質管理や改善点の発見につなげる
- 人に説明するのが好き → 教育やマニュアル化へ活かす
- 人を応援するのが好き → 新人サポートやチームづくりへ活かす
というように、日常の行動と仕事の役割をつなぎ直せる場合があります。
大切なのは、最初から「仕事になる強み」だけを探すのではなく、その人が自然に使っている力を見つけてから、仕事との接点を研究することです。
代表が決め続ける組織から、本人が「ここで私の強みを使います」と言える組織へ
メンバーの強みを代表だけが把握している状態では、
「あなたはこれが得意だから、これやって」
と、代表が役割を決め続けることになります。
目指したいのは、本人自身が、
「私はこういう時に力を発揮しやすい」
「今回の企画なら、この部分で私の得意が使えそう」
「ここは私がやってみたい」
と、自分の力と仕事をつなげられる状態です。
そうなれば、代表が一人ひとりについて、
「この人は何が得意?」
「どこに配置する?」
「どう活かす?」
を一人で考え続ける状態から、少しずつ変えていくことができます。


メンバーの強みを見つける時によくある質問
- Q1. メンバーに「あなたの強みは?」と聞いても「わかりません」と言われます。どうしたらいいですか?
「強み」という言葉から離れて質問してみる方法があります。本人にとって本当に自然な力ほど、「人より優れていること」として認識されていない場合があるからです。「昔から気づくとやっていたことは?」「周りからよく頼まれることは?」「これくらい誰でもできると思っていることは?」など、実際の行動や経験から探します。なかのかほさんも、子どもの頃から妄想することが得意でしたが、「強みとも思ってなかったし、仕事につながるとかも思ってなかった」と話しています。強みという答えを求める前に、その人の当たり前を集めるところから始めてみます。
- Q2. 本人が「こんなの誰でもできます」と言うことも強みなのでしょうか?
強みの可能性があります。本人にとって自然にできることほど、他の人にとっても同じようにできると思い込みやすいからです。そこで「他の人も同じ速さでできている?」「周りから頼まれることはある?」「その時、あなたは何を見て判断している?」と具体的に掘ってみます。単に“できる・できない”で判断するのではなく、どんな場面で、どんな考え方や行動が自然に出ているのかを見ることが大切です。かほさんの場合も、昔から自然にしていた妄想が、HEROコード診断とHEROアカデミーを通して「ここめちゃめちゃ得意だわ」という認識へ変わりました。
- Q3. 診断で強みがわかっても、仕事で使えない場合はどうしたらいいですか?
診断結果を「私は○○タイプです」という説明で終わらせず、「この力をどの場面で使う?」まで考える必要があります。かほさんの事例でも、妄想する力を強みとして知っただけではなく、HEROアカデミーでAI小説、未来画像、一日の情景などへ発展させ、実践・記録・アウトプットにつなげています。組織でも同じように、「この強みを今週どの仕事で使ってみる?」「使った結果、何が変わった?」まで記録すると、診断上の言葉と実際の行動がつながっていきます。強みは、知って終わるものではなく、使いながら理解を深めていくものとして扱うことができます。
- Q4. 仕事と関係なさそうな趣味や子どもの頃の経験まで聞く意味はありますか?
あります。現在の職種だけから強みを探すと、その仕事で身につけたスキルしか見えなくなる場合があります。本人が昔から自然に繰り返している行動には、職種が変わっても現れる思考や行動の特徴が含まれている可能性があります。かほさんの「妄想する力」も、もともとは子どもの頃から行っていたことで、本人は仕事につながるとは考えていませんでした。大切なのは、趣味そのものを仕事にすることではありません。「その時、何を自然にやっていたのか」「その力は現在の仕事のどこで使えるのか」と分解して考えることです。
- Q5. 代表が本人の強みを教えてあげれば、それで十分ではないですか?
代表から伝えることは、本人が気づくきっかけになります。一方で、「社長がそう言ったから私はこれが得意」と覚えるだけでは、別の場面で自分から使いにくいことがあります。本人自身が過去の経験を振り返り、「確かに昔からやっていた」「この場面でも使っている」と実感し、さらに実際の仕事で使ってみることが重要です。目指したいのは、代表が毎回「あなたはこれが得意だから、ここをやって」と配置する状態だけではなく、本人が「今回はここで私の強みが使えそうです」と提案できる状態です。強みの名前を渡すだけではなく、本人が自分で扱えるところまで育てていきます。
- Q6. メンバーの強みを活かすと、代表の仕事はどう変わりますか?
一人ひとりが自分の強みを理解し、仕事との接点を考えられるようになると、代表だけが「誰に何を任せるか」を考える状態から変化する可能性があります。本人から「この仕事なら私のこの力を使えそうです」「ここをやってみたいです」という提案が生まれれば、配置や役割についての会話も変わります。ただし、強みがわかっただけで自動的に自走するわけではありません。実際に使う場面を決め、結果を振り返り、次にどこで使うかを考える実践が必要です。強みの発見を、本人が自分で考え、選び、動くための材料へ変えていくことがポイントです。
- Q7. 強みと苦手、どちらを優先して育てればいいですか?
役割上どうしても必要な基礎や、安全・品質に関わる部分は苦手であっても身につける必要があります。その上で、全員を同じ能力に近づけることだけを育成のゴールにすると、一人ひとりが自然に発揮できる力が見えにくくなることがあります。「最低限必要な力」と「その人だからさらに伸ばせる力」を分けて考えるとよいでしょう。強みについても、単に好きなことを任せるという意味ではありません。その力を使った時に、本人の考動や仕事の成果、周囲への価値がどう変わるのかを実践から研究します。強みを“褒め言葉”ではなく、仕事で使える力として育てていく視点が必要です。
動画でもう一度見る|本人も知らなかった強みが見つかる瞬間
この記事の監修|吉野加容子


吉野加容子
YELL’s大学 学長。学術博士。脳科学・学習行動の専門家。
YELL’s大学では、知識や診断結果を知って終わるのではなく、自分で問いを持ち、考え、決め、動き、その経験を記録しながら次の考動へつなげることを大切にしています。
強みについても、「あなたはこのタイプです」と知るだけではなく、日常や仕事のどこでその力が現れているのかを発見し、実際の考動の中で使いながら研究していきます。
記録についても、成功した成果だけを残すのではなく、途中で何を考え、どこで止まり、何を試し、何があったから次へ進めたのかを研究材料として残します。
完成した人の答えを見せるだけではなく、挑戦のプロセスから「次の人が再現できる問いや考動」を発見していくことも大切にしています。
また、記録することと公開することは同じではありません。まず本人が自分自身の経験を詳しく振り返り、その後、第三者の情報や公開する必要のない内容を除き、誰かの未来に役立つ部分へ編集していきます。
まとめ|強みは「新しく身につけるもの」だけではなく、すでにある力を発見することから始まる
メンバーに、
「あなたの強みは何?」
と聞いて、答えが出てこなかったとしても、強みがないとは限りません。
なかのかほさんにとっての「妄想する力」のように、
本人にとって当たり前すぎて、価値として認識されていない力
があるかもしれません。
だからこそ、
- 昔から何を自然にしてきた?
- 何を「普通」だと思っている?
- どんな時に周りから頼られる?
- その力を今の仕事で使うなら?
と、本人の過去と現在をつなぎながら研究していきます。
強みを見つけるゴールは、「私の強みは○○です」と言えることだけではありません。
「この仕事なら、私のこの強みを使えそうです」と、自分で考え、使い始められることです。
代表が一人ひとりの才能を見つけ、配置し、使い方まで考え続ける組織から、
一人ひとりが自分の力を理解し、自分から「ここで使います」と言える組織へ。
その入口は、本人の中にすでにある「当たり前」を、一緒に発見することなのかもしれません。































