「能力はあると思うんです。だけれども、人と比べた瞬間に『私にはできません』って止まってしまうんです。」
チームを育てている女性代表から、こんな相談を受けることがあります。
新しいことにも挑戦してほしい。
任せたい仕事もある。
実際、できていることもたくさんある。
だけれども、チームの中に自分より話すのが上手な人がいたり、行動が早い人がいたりすると、
「○○さんみたいにはできません」
「私には向いていないと思います」
「私なんてまだまだなので」
と、一気に自信をなくしてしまう。
代表から見れば、
「そこまで自分を否定しなくていいのに」
と思うんです。
だから、
「あなたにもできていることはあるよ」
「○○さんと比べなくていいよ」
「もっと自信を持って」
と何度も伝える。
その時は少し元気になるけれど、次に誰かと比べる出来事があると、また同じところへ戻ってしまう。
代表が毎回「大丈夫だよ」と自信を補わなくても、本人が自分で自分の力を思い出して、もう一度動けるようになるにはどうしたらいいのでしょうか?
目指したいのは、「人と比べなくなること」だけではありません。
比べて自信をなくしたとしても、「だから私はダメ」で終わらず、自分の強みと次の一手へ戻ってこられること。
その力が育つと、代表が毎回本人の自信を立て直さなくても、自分で成長を続けられる可能性が生まれます。
この記事では、人と比べるたびに「私はできない」と自分そのものを否定し、動けなくなっていたまるやまあやかさんが、約1年の実践を経て「私できない」という言葉が出なくなった実際の変化をもとに、比較で自信をなくすメンバーが、自分の力へ戻って次の一歩を選べるようになる育て方を紹介します。
動画で見る|「私にはできない」が口から出なくなるまで
こんなお悩みはありませんか?
- 周りに優秀な人がいると「私にはできない」と自信をなくす
- 他のメンバーと比べて、自分のできていないところばかり見る
- 一度落ち込むと、行動量まで落ちてしまう
- 代表が褒めると動けるけれど、またすぐ元に戻る
- 「もっと自信を持って」と何度伝えても変わらない
- 本人には強みがあるのに、自分では認められていない
- 周りではなく、自分の成長に目を向けられる人になってほしい
まるやまあやかとは?
まるやまあやか
母子分離不安・幼児期の繊細な子の心と脳を強くする専門家
「ママがいい」と離れられない繊細な年少の息子👦が
「やってみたい」と挑戦できるようになった
脳を育てる親子会話🦸
- 発達科学コミュニケーショントレーナー
- 「HSC・繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング」
- 翼くんのママ
ママから一歩踏み出す無料の本はこちら👇🏻
無料の本を受け取る
Instagramはこちら👇🏻
まるやまあやかさんのInstagramを見る
なぜ人と比べると「私にはできない」に変わってしまうのか?
人と比べること自体が、すべて悪いわけではありません。
「あの人のここを真似してみよう」
「私もここまで行きたい」
と、自分の成長に使えることもあります。
問題は、他者との差を見つけた瞬間に、
「今はできていない」
ではなく、
「私はできない人」
と、自分そのものの評価へ変わってしまうことです。
周りのできる人を見る
↓
自分との違いを見つける
↓
「私はできない」
↓
自信をなくす
↓
発言・挑戦・行動が減る
↓
経験が増えない
↓
さらに「私はできない」と感じる
この循環に入っている場合、代表が何度「あなたにもできるよ」と言っても、本人の中の判断基準が変わっていなければ、次の比較でまた止まってしまいます。
必要なのは「自信を与えること」だけではない
自信をなくしているメンバーを見ると、代表は励ましたくなります。
「あなたも十分できてるよ」
「そんなに自分を低く見なくていいよ」
「○○さんにはない強みもあるよ」
もちろん、その言葉に救われることもあります。
だけれども、人材育成としてもう一歩先を考えるなら、
代表が「あなたは大丈夫」と言わなくても、本人自身が「私はここまでできるようになった」と発見できる状態をつくる。
ことも大切です。
つまり、他人との比較だけではなく、過去の自分との変化成長を見る視点を持てるようにします。

Before|「あの人みたいにできない」で、自分そのものを否定していた
YELL’sと出会う前の自分について、あやかさんははっきりと「とにかく自分に自信がない」と振り返っています。
怖い。
自信がない。
できない。
何かができないと感じた時には、
「今回はうまくできなかった」ではなく、
「やっぱり私には能力がない」
「やっぱり私には無理」
と、自分そのものを否定していました。
特にその状態が強く出ていたのが、人と比べた時です。
転換点|「誰かみたいになる」ではなく、自分の強みと伸ばし方を知っていった
あやかさんがHEROアカデミーへ参加した理由の一つに、
「自分の脳を知って、自分に合った強みを発揮していきたい。そして成長していきたい」
という思いがありました。
その後、HEROコード診断では、自分では「貢献」だと思っていたところから「主役」という、自分の認識とは異なるHERO性にも出会っています。
そして、その結果を知るだけではなく、主役として生きてみる、挑戦してみる、振り返ることを重ねていきました。
あやかさん自身が後にHEROアカデミーを、
「自分の取説が見つかった」
と表現しているのも象徴的です。
誰かより優れているかではなく、「私はどういう人で、どうすると伸びるのか」へ目線が移っていったことが、一つの変化として見えてきます。
インタビュー|人と比べて動けなかったあやかさんは、約1年でどう変わった?
Q.YELL’sと出会う前は、どんな自分でしたか?
まるやまあやかさん:
「えっと、エールズに出会う前の私は。
とにかく自分に自信がない。
でー。
口から出る言葉はすべてなんかネガネガティブな私でした。」
Q.できないことがあった時は、どう捉えていましたか?
まるやまあやかさん:
「なんか。
怖さもあるし、自信もないし、できないってなると。
あ、やっぱ私には能力がないなぁとか、やっぱり私には無理だなあっていうふうに、こう自分そのものを否定していたんですね。」
Q.特に、どんな時に動けなくなっていましたか?
まるやまあやかさん:
「で、特にこう。
人と比べるチームの人と比べたりした時に、あの人みたいに私は話せない。あの人みたいにこう。
トレーニングとかで発言できないとか、私はできないってこう。
落ち込んで。
どんどんどんどん動けなくなるような。ああ、私でし。」
Q.そこから約1年。今、一番変わったと思うことは何ですか?
まるやまあやかさん:
「まあ自信がある。
自信があるって言ったらちょっとなんか違うのかもしれないんですけど。
ううん。
ううん。
なんだろう。
地震。うん、なんかすごい難し難しいんですけど、自信は確かに一年前に比べたらあのあるんですよ。まあだけど、まだまだあの自信がないところはあの見え隠れしてるので、そこはあのまだこれからだなと思っているけれども、一年前と変わったところは、うん。
地震だと思います。」
Q.具体的には、何が変わりましたか?
まるやまあやかさん:
「だからネガティブな。
私できないとか。
そうやって。
思わわらなくなったし。あ、言葉に出なくなった。
っていうのがすごく大きいなって思います。」
After|「自信がない瞬間がゼロ」ではない。それでも「私できない」が出なくなった
ここで、とても重要なことがあります。
あやかさんは、
「もう自信がないことは一切ありません」
とは話していません。
むしろ、まだ自信がないところは「見え隠れしている」と話しています。
それでも、大きく変わったのが、
「私できない」と思わなくなり、その言葉が口から出なくなったこと。
つまり目指したいのは、常に自信満々な人をつくることではないのかもしれません。
自信が揺れることはあっても、
「自信がない=私はできない」
と結びつけず、自分の成長を続けられる。
そこに、人材育成として大きな意味があります。
この事例から女性代表が研究できること
人と比べて落ち込むメンバーに対して、代表がやりがちなのが、
「比較しないようにさせること」
です。
だけれども、チームで仕事をしている以上、他の人の成果や発言を見る機会をゼロにはできません。
だからこそ育てたいのは、
「○○さんはできている。私はできない」
ではなく、
「○○さんはここが得意。じゃあ私は?」
「今の私に足りないものは何?」
「私は1年前と比べて何ができるようになった?」
「次に一つ伸ばすなら何?」
と、自分の成長へ視点を戻せることです。
人と比べて止まったメンバーに使いたい5つの問い
1|その人の何を見て「私はできない」と思った?
「あの人は全部すごい」という比較から、具体的な能力や行動へ分解します。
2|同じことができないと、本当にダメなの?
他者と同じ能力を持つことが、仕事の目的になっていないかを確認します。
3|あなたには、どんな時に自然にできることがある?
比較相手ではなく、自分の強みへ視点を戻します。
4|3か月前・半年前・1年前の自分と比べたら、何が変わった?
横の比較だけではなく、自分自身の変化成長を見つけます。
5|その人から一つだけ研究するとしたら、何を盗みたい?
「私は負けている」で終わらず、他者を自分の成長材料へ変えます。
「できた記録」を残すと、自分の成長を見つけやすくなる
人と比べやすい人ほど、今できていないことには気づきやすい一方で、自分ができるようになったことを忘れてしまうことがあります。
そこで、日々の仕事の中で、
- 今日、自分で決められたこと
- 前なら聞いていたけれど、自分で考えられたこと
- 以前より早くできたこと
- 怖かったけれど挑戦したこと
- 人から頼られたこと
- 自分なりに工夫したこと
を短く残します。
これは、自分を無理に褒めるためではありません。
「私はできない」という感覚だけではなく、実際に起きた自分の変化を判断材料にできるようにするためです。
代表が言わなくてよくなることは何?
本人が自分の強みと変化成長を見つけられるようになると、代表が毎回、
- 「○○さんと比べなくていいよ」
- 「あなたも十分できているよ」
- 「もっと自信を持って」
- 「あなたにはこんないいところがあるよ」
- 「落ち込まなくて大丈夫」
と、本人の自信を外から立て直し続ける状態を減らせる可能性があります。
そして本人から、
「○○さんはここがすごいので、私はそこを研究してみます」
「私は話すのはまだ苦手だけれど、この部分なら力を使えそうです」
「前よりここはできるようになりました」
「次はここを伸ばしたいです」
という言葉が出てくる。
そうなれば、他者の成果が「自分を否定する材料」から「自分を伸ばす研究材料」へ変わっていきます。

よくある質問|人と比べて自信をなくすメンバーの育て方
- Q1. 人と比べてすぐ自信をなくす部下には、何と声をかければいいですか?
すぐに「比べなくていいよ」と終わらせるより、「その人の何を見て、自分にはできないと思った?」と比較の中身を具体化してみます。「○○さんは全部すごい、自分は全部ダメ」という状態から、「○○さんは人前で話すのが得意」「私は準備や相手の話を聞くことは得意」と分けられると、自分全体を否定しにくくなります。そのうえで「半年前の自分と比べて何が変わった?」「今回一つ研究するとしたら何?」と、自分の変化と次の行動へ戻します。励まして終わるのではなく、本人が自分で比較を成長材料へ変える問いを持てるようにすることがポイントです。
- Q2. 「もっと自信を持って」と伝えているのに変わらないのはなぜですか?
代表から「自信を持って」と言われた瞬間は安心できても、本人自身が自分を評価する基準が変わっていなければ、次に優秀な人を見た時にまた「私はできない」へ戻ることがあります。あやかさんも、変化を「いつでも自信満々になった」とは表現していません。まだ自信がないところは見え隠れすると話しながらも、「私できない」と思わなくなり、言葉に出なくなったことを大きな変化として挙げています。自信を外から補給し続けるだけではなく、自分の強みや過去からの変化を本人自身が見つけられる仕組みをつくることも一つの方法です。
- Q3. チーム内で比較が起きないように、成果を見せない方がいいですか?
他のメンバーの成果をすべて見えなくする必要はありません。他者の成果は、自分の可能性や新しい方法を発見する材料にもなります。大切なのは、「誰が一番優秀か」だけを見るのではなく、「その人は何をしたから変化したのか」「自分なら何を取り入れられるか」と研究できる状態にすることです。また、成果だけでなく、途中の試行錯誤や以前との変化も共有できると、「完成した人と今の自分」を比較するだけではなくなります。チーム内の記録を競争の材料だけにせず、お互いの成長方法を研究する材料として扱う設計が考えられます。
- Q4. 本人の強みを代表が教えてあげるだけでは足りませんか?
代表から見える強みを伝えることは、本人が気づいていない可能性を発見するきっかけになります。一方で、「代表がそう言うから私は得意なんだ」という理解だけでは、代表がいない場面で使いにくいことがあります。「どんな時にその力が出た?」「実際に使ってみてどうだった?」「周りから何を頼まれることが多い?」と経験まで振り返り、本人自身が「確かに私はこういう場面で力を発揮しやすい」と理解できるようにします。強みを教えて終わるのではなく、使う→振り返る→自分で発見するところまでつなげることが重要です。
- Q5. 人と比べる負けず嫌いは直した方がいいですか?
必ずしも「比べること」や「負けたくない」という気持ち自体をなくす必要はありません。その感情が「私はダメ」という自己否定につながり、行動を止めているなら、使い方を変える余地があります。「負けている」で終わるのではなく、「何が違う?」「何を研究したい?」「自分ならどう取り入れる?」へ変換できれば、比較が成長のきっかけになることもあります。重要なのは、他人と同じになることをゴールにしないことです。相手の強みを研究しながら、自分自身の強みや目指したい姿に合わせて次の一手を選べるようにします。
- Q6. 自信がないメンバーにもリーダー役を任せていいですか?
「自信がついたら任せる」という順番だけが唯一ではありません。もちろん役割に必要な知識や安全性は確認する必要がありますが、小さな進行役や企画の一部分など、試せる範囲から役割を経験する方法もあります。その後に「どこはできた?」「何が難しかった?」「次は何を変える?」と振り返れば、経験そのものが本人の自己理解につながります。あやかさんも、まだ自信がない部分が見え隠れすると話しています。それでも「私できない」という自己否定からは変化しています。自信を完成させてから動くのではなく、経験しながら自分の伸ばし方を知る育ち方もあります。
- Q7. 自分の成長を記録すると、どんな意味がありますか?
人は今できていないことには気づきやすくても、数か月前にはできなかったことが当たり前にできるようになると、その変化を忘れてしまうことがあります。特に人と比べやすいメンバーは、周囲の「今」と自分の「足りない部分」だけを比べてしまいがちです。そこで「自分で決められたこと」「以前よりできたこと」「怖かったけれど挑戦したこと」を記録しておくと、自分自身の変化を振り返る材料になります。無理に自己肯定するためではなく、「私は本当に何も成長していないのか?」を事実から確認し、次の一歩を考えるための研究材料として使えます。
動画で研究する|「私できない」が口から出なくなるまでに何があった?
この記事の監修|吉野加容子

吉野加容子
YELL’s大学 学長。学術博士。脳科学・学習行動の専門家。
YELL’s大学では、知識や診断結果を知って終わるのではなく、自分で問いを持ち、考え、決め、動き、その経験を記録しながら次の考動へつなげることを大切にしています。
記録についても、成功した成果だけを残すのではなく、途中で何を考え、どこで止まり、何を試し、何があったから次へ進めたのかを研究材料として残します。
完成した人の答えを見せるだけではなく、挑戦のプロセスから「次の人が再現できる問いや考動」を発見していくことも大切にしています。
また、記録することと公開することは同じではありません。まず本人が自分自身の経験を詳しく振り返り、その後、第三者の情報や公開する必要のない内容を除き、誰かの未来に役立つ部分へ編集していきます。
まとめ|「自信をなくさない人」ではなく、自分で自信を取り戻せる人を育てる
人と比べて、自信をなくすことはあります。
あやかさん自身も、以前はチームの人と比べて、
「あの人みたいに話せない」
「発言できない」
「私はできない」
と落ち込み、どんどん動けなくなっていました。
約1年後。
まだ自信がない部分はある。
それでも、
「私できない」と思わなくなり、その言葉が出なくなった。
ここに大きな変化があります。
誰かよりできる自分をつくるのではなく、「私はどう伸びる人なのか」を知っている自分を育てる。
そうすれば、代表が毎回「あなたなら大丈夫」と自信を補わなくても、本人自身が自分の強みや変化を見つけ、「じゃあ次は何を伸ばそう?」と自分の成長へ戻ってこられる可能性があります。
目指すのは、誰とも比べないチームではありません。
他者の成長を見ても自分を否定せず、自分の次の一手へ変えられるチームです。





























