「もっと自分の意見を言ってほしいのに、“私なんかが言っても…”で止まってしまうんです。」
仕事はちゃんとしてくれる。
こちらからお願いしたこともやってくれる。
だけれども、会議で、
「あなたはどう思う?」
と聞くと、
「皆さんと同じです」
「私にはよく分からなくて…」
「代表が決めた方がいいと思います」
と、自分の意見が出てこない。
SNSやお客様への発信を任せても、
「何を書けばいいですか?」
「これで合っていますか?」
「私の話なんて誰が読みたいんでしょう?」
と、結局代表に内容が戻ってくる。
だから代表がテーマを決め、文章を直し、最後にはほとんど代表の言葉になっている。
どうしたら「正解を教えてください」ではなく、「私はこう思います」と自分の言葉を出せる人に育つのでしょうか?
必要なのは、いきなり「もっと発信して」と量を増やすことだけではありません。
「私の意見には意味がない」から、「たった一人に届けばいい」へ。
まず、自分の考えを外へ出していいと思える当たり前を変えることが、自分の言葉で発信できる人材を育てる一つの入口になります。
この記事では、「私が思いを語ったところで、誰の何のためになるんだろう」と考えていたまるやまあやかさんが、自分の思いを発信できるようになった実際の事例をもとに、自分の意見を言わないメンバーが自分の言葉を届けられるようになる関わり方を紹介します。
動画で見る|「私の想いなんていらない」から自分の言葉で発信するまで
こんなお悩みはありませんか?
- 「どう思う?」と聞いても自分の意見が返ってこない
- 会議でいつも代表やリーダーの意見を待っている
- 発信を任せても「何を書けばいいですか?」と聞かれる
- 文章を添削すると、最終的にほとんど代表の文章になる
- 本人の経験や想いはあるのに、自分から話そうとしない
- 「こんなこと誰が知りたいんですか?」と言われる
- 次のリーダー候補として、自分の考えを言葉にできる人になってほしい
まるやまあやかとは?
まるやまあやか
母子分離不安・幼児期の繊細な子の心と脳を強くする専門家
「ママがいい」と離れられない繊細な年少の息子👦が
「やってみたい」と挑戦できるようになった
脳を育てる親子会話🦸
- 発達科学コミュニケーショントレーナー
- 「HSC・繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング」
- 翼くんのママ
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自分の意見を言わないのは「考えていない」からとは限らない
メンバーから意見が出ない状態が続くと、代表は、
「もっと自分で考えてほしい」
「主体性を持ってほしい」
「指示を待つのをやめてほしい」
と思います。
けれども、本人の頭の中には意見があるのに、外へ出す直前で止めている場合もあります。
何かを感じる
↓
自分なりの考えが浮かぶ
↓
「こんなこと言って意味ある?」
↓
「もっと詳しい人がいる」
↓
「間違っていたら恥ずかしい」
↓
言わない
↓
代表の正解を待つ
この状態なら、必要なのは単に「もっと考えて」と言うことではありません。
すでにある自分の考えを、外へ出せる状態をつくることが必要です。
「みんなに価値があることを言おう」とすると発信できなくなる
発信を任されたメンバーが止まる時、
「役立つことを言わなきゃ」
「すごいことを書かなきゃ」
「正しいことを発信しなきゃ」
と、最初から大きな正解を探していることがあります。
すると、自分の経験や考えより、
「世の中に評価される正解は何だろう?」
へ意識が向きます。
「みんなに認められる発信」ではなく、「この一人に届けたい発信」へ。
届ける相手が具体的になると、自分の経験や言葉を使う意味も見つけやすくなります。

Before|「私が思いを語ったところで、誰の何のためになるんだろう」
あやかさんも、最初から自分の思いを外へ出せていたわけではありません。
HEROアカデミーの中で、自分が「主役ヒーロー」であることを受け入れ、自分が前に出ることを実践し始めていきました。
その後、発信へ挑戦する機会がやってきます。
やってみようかな。
そう思う一方で、以前のあやかさんには、
「私が思いを語ったところで、誰の何のためになるんだろう」
という考えがありました。
転換点|まず出してみたら「投稿よかったね」が返ってきた
発信へ踏み出すきっかけの一つになったのは、HEROアカデミーの記録から得たヒントでした。
あやかさん自身、インタビューでは正確な言葉は違うと前置きしながら、
「まだ誰も見てないからやればいいんじゃないの?」
という趣旨の言葉を見て、まずやってみようと思ったと振り返っています。
そして実際に投稿すると、周囲から、
「投稿よかったね」
と反応をもらった。
そこで初めて、
「こういう風に思いって発信していいんだ」
という新しい捉え方が生まれていきました。
インタビュー|「私の想いなんていらない」から発信できるようになるまで
Q.自分が前に出るために、最初にしたことは?
まるやまあやかさん:
「最初にやったこと。
はもう素直にこの主役ヒーロー。
だよって私の脳が言ってるよって教えてもらったので、もうその主役ヒーローっていうのをまず受け入れて。じゃあその主役ヒーローって何なんだろう。」
「そこをなんなんだろう。素直に受け入れて、あの実行してったっていうのかな?」
Q.発信しようと思った時は、すぐできましたか?
まるやまあやかさん:
「やってみようかなって思って、その時にやってみようかな。だけど。だけど。っていつもだったら思うんですけど」
Q.そこから、何がきっかけで投稿できたのでしょうか?
まるやまあやかさん:
「まだ誰も見てないからやればいいんじゃないの?みたいな。ちょっと言葉違うんですけど、そういう風なのを見て、そっか誰も見てないし。
や、やるだけやってみようみたいな風に思ったのがああきっかけで」
Q.実際に発信してみて、何が変わりましたか?
まるやまあやかさん:
「ほかの人からもあの投稿よかったねとか言ってもらって、あ、そっか、こういう風に重いって。
発信していいんだって気づいたのが一つでした。」
「それまでは本当私が思いを語ったところで、誰の何のためになるんだろうって思ってたんですよね。」
「あなたの想いとかいらなくない?みたいな風に思ってたんですけど、あ、そうじゃないんだなって。」
After|大勢に認められるより「一人に届けばいい」へ
あやかさんの変化で重要なのは、文章を書くテクニックだけを身につけたことではありません。
変わったのは、「誰に届けるのか」という発信の基準でした。
以前は、
「私の想いなんて必要ない」
「誰の何のためになるの?」
と、自分の言葉を出す前に止めていた。
そこから、大勢全員へ届けようとするのではなく、同じような思いを持つ一人に届くことにも意味があると捉えられるようになり、自分の発信ができるようになっていきました。
「何を言えば正解?」ではなく、「誰に何を届けたい?」へ。
この事例から女性代表が研究できること
メンバーが自分の意見を言わない時、代表が先に正解を渡すと、その場は早く進みます。
けれども、それが毎回続けば、
「代表が考える」
↓
「メンバーが実行する」
という役割が固定されやすくなります。
そこで、答えを渡す前に、本人の中にあるものを探します。
「あなた自身はどう思った?」
「正解じゃなくていいとしたら、何を伝えたい?」
「この経験を、誰に一番届けたい?」
「その一人に話すなら、何て言う?」
「まず一回出してみるなら、どこまでできる?」
「自分の意見を言って」だけでは動けない理由
「もっと自分の意見を言っていいんだよ」
と言っても変わらない場合、本人にとっては、
意見を言う=正解を言う
になっている可能性があります。
そこで、最初から完成された意見を求めません。
「正しい答えは?」
ではなく
「あなたは何を感じた?」
「みんなに何を言う?」
ではなく
「誰か一人に伝えるなら?」
「完璧にまとめて」
ではなく
「今の時点の考えを聞かせて」
発言のハードルを下げることで、本人の中にある考えを外へ出しやすくします。
自分の言葉で発信できる人材を育てる5つの問い
①「あなたはどう思った?」
まず代表の答えを伝える前に、本人の感想・違和感・発見を聞きます。
②「誰に届けたい?」
不特定多数ではなく、具体的な一人を思い浮かべてもらいます。
③「その人に何を伝えたい?」
情報ではなく、本人自身が経験したことや感じたことまで言葉にします。
④「今の言葉のまま一度出すなら?」
代表が完成形へ直す前に、本人の言葉で一度形にします。
⑤「出してみて何が分かった?」
発信後の反応だけではなく、本人自身が何を感じ、次に何を変えたいと思ったかを振り返ります。
代表が「何を書けばいいか」を毎回答えなくていいチームへ
発信するたびに、
- 何を書けばいいですか?
- タイトルはどうしますか?
- これで合っていますか?
- 何を伝えたらいいですか?
と代表へ判断が戻ってくる。
そこから、本人が、
「私はここが一番大事だと思いました」
「この経験を、同じことで悩んでいる人に届けたいです」
「まず私の言葉で書いてみました」
「出してみて、次はここを変えたいです」
と、自分で考え、言葉にし、届けられる状態へ。
そうなれば代表は、メンバーの代わりに毎回答えを作る人から、本人の中にある考えを引き出す人へ役割を変えていけます。

よくある質問|自分の意見を言わない部下の育て方
- Q1. 自分の意見を言わない部下は、そもそも何も考えていないのでしょうか?
意見が出ないことだけで「考えていない」とは判断できません。本人の中には考えがあっても、「間違っていたらどうしよう」「こんな意見に意味はない」「もっと詳しい人が言った方がいい」と、自分で外へ出す前に止めている可能性があります。あやかさんも、自分の思いがなかったのではなく、「私が思いを語ったところで、誰の何のためになるんだろう」と考えていました。まず「正解を答えて」ではなく、「あなたはどう感じた?」「今の時点ではどう思う?」と聞き、本人の中にすでにある考えを言葉にするところから始めます。
- Q2. 「もっと自分の意見を言っていいよ」と伝えても変わらないのはなぜですか?
本人にとって「意見を言う」が「正しい答えを出す」「価値のあることを言う」になっていると、許可されただけでは発言しにくいことがあります。その場合は「正解じゃなくていいから、あなたは何を感じた?」「まだ途中でもいいから、今はどう考えている?」と問いを変えます。また、発言した後にすぐ代表が正解へ修正すると、「やっぱり代表の答えを待った方がいい」と学習する可能性があります。まず本人の考えを受け取り、そこから一緒に磨く順番にすることで、自分の意見を出す経験を増やしていきます。
- Q3. 発信を任せると「何を書けばいいですか?」と毎回聞かれます。どうすればいいですか?
すぐテーマを渡す前に、「今回、一番伝えたいことは何?」「誰に届けたい?」「その人に一つだけ伝えるなら?」と本人へ返してみます。最初から多くの人に役立つ完成された投稿を求めると、正解探しになりやすくなります。あやかさんの事例でも、「私の思いに意味があるのか」という状態から、発信して反応を受け取る経験を通して、自分の思いを出していいと捉えられるようになっていきました。代表が毎回テーマを作るのではなく、本人の経験・感情・届けたい相手からテーマを発見する練習を重ねます。
- Q4. メンバーの文章が未熟でも、そのまま発信させた方がいいですか?
何でも無修正で公開すればいいわけではありません。事実誤認、個人情報、会社として伝えてはいけない内容などは確認が必要です。一方、代表が毎回本人らしい表現まで全面的に書き換えると、本人が「自分の言葉ではダメ」と感じる可能性があります。まず「何を伝えたいのか」「誰に届けたいのか」という本人の軸を残し、そのうえで必要な部分だけ一緒に磨きます。完成度だけではなく、本人の言葉が残っているか、本人自身が「次はこうしたい」と改善点を発見できているかも育成の材料になります。
- Q5. 発信しても反応がなかったら、余計に自信をなくしませんか?
反応数だけを成功基準にすると、数字が少ない時に「やっぱり私の発信には価値がない」と戻りやすくなります。最初は「自分の考えを一度外へ出せた」「届けたい相手を決められた」「自分の経験を言葉にできた」「次に変えたいところが見つかった」など、途中の考動も振り返ります。発信は一回で評価を確定する試験ではなく、出して、反応を見て、自分でも振り返り、次を変える研究材料として扱えます。数字を見ることと、自分の発信そのものを否定することを分けることが大切です。
- Q6. 会議で意見を言わない部下にも同じ考え方を使えますか?
発信だけではなく、会議や企画の場でも応用できます。いきなり「何か意見ある?」と全体へ投げると、正解がまとまっていない人は発言しにくい場合があります。「今日の話で一番気になったところは?」「お客様だったらどこで困りそう?」「あなたなら最初に何を試す?」など、答えやすい具体的な問いへ分解します。そして発言した内容をすぐ評価するのではなく、まず「そう考えた理由は?」と深掘りします。本人が、自分の考えを出す→聞いてもらえる→さらに考える、という経験を重ねることが重要です。
- Q7. 自分の言葉で話せるようになったか、何を成果として見ればいいですか?
発信本数だけではなく、代表へ戻ってくる質問の変化を見る方法があります。「何を書けばいいですか?」「これで合っていますか?」だけだった状態から、「私はこの人に届けたいと思っています」「私はここが大事だと思ったので、こう書きました」「一度出してみて、次はここを変えたいです」と本人の判断が入るようになったかを見ます。代表が何を言わなくてよくなったかも重要です。テーマ・結論・届ける相手まで代表が決めていた状態から、本人が自分で考えられる範囲が増えているなら、一つの変化として記録できます。
動画で研究する|「私が言っても意味がない」を越えて、自分の言葉を届ける
この記事の監修|吉野加容子

吉野加容子
YELL’s大学 学長。学術博士。脳科学・学習行動の専門家。
YELL’s大学では、知識や診断結果を知って終わるのではなく、自分で問いを持ち、考え、決め、動き、その経験を記録しながら次の考動へつなげることを大切にしています。
誰かの正解をそのまま覚えるのではなく、自分は何を感じたのか、何を大切にしたいのか、誰に何を届けたいのかを考え、自分の言葉へ変えていくことも研究します。
完成された答えを最初から求めるのではなく、本人が自分の考えを外へ出し、実践から新しい発見を得て、次の考動へつなげることを大切にしています。
また、記録することと公開することは同じではありません。まず本人が自分自身の経験を詳しく振り返り、その後、第三者の情報や公開する必要のない内容を除き、誰かの未来に役立つ部分へ編集していきます。
まとめ|「何を言えばいいですか?」から「私はこう思います」へ
自分の意見を言わない。
それは必ずしも、何も考えていないということではありません。
あやかさんも以前は、
「私が思いを語ったところで、誰の何のためになるんだろう」
と、自分の中にある思いを出す前に止めていました。
そこから、自分が前に出ることを受け入れ、まず発信してみる。
反応を受け取る。
そして、大勢全員ではなく、一人に届けることにも意味があると捉えられるようになる。
育てたいのは、「正解を上手に言える人」ではなく、自分はどう考えたのかを言葉にして次の人へ届けられる人。
代表が毎回、答えも発信内容も考えるチームから、
「私はこう思いました」
「この人に届けたいです」
「だから、こうしてみます」
と、本人の判断から考動が始まるチームへ。
メンバーの中にすでにある考えを発見し、自分の言葉として外へ出す経験を増やすことが、その一歩になります。





























