ー やりたいことを出しているのに「本音じゃない気がする」女性起業家 Aさんからのご相談 ー
「『やりたいことを全部書き出してみてください』と言われて、何度もやっています。
行きたい場所。
欲しいもの。
仕事で叶えたいこと。
会いたい人。
最初は全然出なかったのですが、最近はかなり書けるようになりました。
以前より自分に制限をかけずに書いているつもりですし、『こんなことまで書けた!』と自分では殻を破った感覚もあります。
それなのに、書いたものを見返すと、どこかまだ“私が本当に欲しいものは、この先にある気がする”んです。
周りからは『十分やりたいことが出てるよ』と言われます。
自分でも、以前より自由に考えられていると思います。
それなのに、なぜか決定的に心が動くものがありません。
もしかすると私は、無意識に『これは言ったら恥ずかしい』『こんなことを夢にしたら幼い』『起業家ならもっと意味のある夢にしないと』と、自分の本音を消しているのでしょうか?
自分ではかなり本音を出しているつもりなのに、まだ“優等生の答え”になっているかどうかは、どうやったら気づけますか?」

ー YELL’s大学からの回答 ー
たくさん書けるようになったことと、自分の本音を全部採用できるようになったことは、同じとは限りません。
「これなら言っても大丈夫」
「これなら夢として成立する」
「これなら人から見ても素敵」
そんな基準を通過した願いだけを、自分では“本音”だと思っていることがあります。
そんな時に研究したいのは、書いたものより、書かなかったもの。
一瞬浮かんだけれど消したこと。
口にするのが少し恥ずかしいこと。
「こんなの夢じゃない」と判断したこと。
なぜか人には見せたくない願い。
そこに、自分でもまだ採用できていない本音が隠れているかもしれません。
夢をもっと立派にするのではなく、自分が無意識にかけている“夢の採用基準”を外してみる。
そこから、本当に自分を動かす未来が見えてくることがあります。
「やりたいことを出せない」だけが、本音を見つけられない状態ではありません。
たくさん出している。
自分なりに殻も破っている。
以前より自由に夢を描いている。
それでも、「人に見せても大丈夫な自分」の範囲から出ていないことがあります。
そんな時は、
「何を書いた?」ではなく、「何を出さなかった?」
を研究してみます。
動画で見る|「優等生やめませんか?」から夢が変わり始めた
こんなお悩みはありませんか?
- やりたいことを何十個書いても、しっくりくる夢が見つからない
- 自分ではかなり本音を出しているつもりなのに、まだ何か足りない気がする
- 「こんなことを夢にしていいの?」と無意識に判断してしまう
- 人に話せる夢と、本当は欲しいものが違う気がする
- 起業家として立派な夢を描かなければと思ってしまう
- 周囲からどう見られるかを考えて、願いを小さく修正してしまう
- 「わがまま」「自己中心的」と思われるのが怖い
- 夢を書いても、今日の行動を変えるほど心が動かない
この記事でわかること
- やりたいことを出しても本音の夢が見つからない理由
- 「優等生の夢」になっている時に起こりやすいこと
- なかのかほさんが300個のチャレンジで感じていたこと
- 「優等生やめませんか?」が転機になった理由
- 夢から無意識に消している願いを見つける方法
- 本音を「立派な夢」へ編集せず残すための問い
なかのかほとは?
なかのかほ ⌇ 子どもの「好き」を得意に育てる
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教育心理学 元・塾講師 2児の母
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「本音を出したつもり」でも、まだ優等生になっていることがある
本音の夢を見つける時に難しいのは、本人には「自分が本音を隠している」という自覚がないことです。
むしろ、自分ではかなり自由に考えたつもりかもしれません。
以前なら書けなかった願いも書いた。数もたくさん出した。少し恥ずかしいことも書いた。
それでも無意識に、
これは夢としてアリ。
これは人に言ったら恥ずかしいからナシ。
これは仕事につながらないからナシ。
これは自己中心的に見えるからナシ。
と、心に浮かんだ願いを選別していることがあります。
つまり問題は、願いが出てこないことではなく、出てきた瞬間に自分で不採用にしていること。
だからこそ、「もっとたくさん書こう」だけでは見つからない夢があります。
なかのかほさんに何が起きた?|「優等生やめませんか?」から始まった夢の更新
ここからは、なかのかほさんが自分では十分に殻を破ったと思っていたところから、さらに本音の夢へ近づいていった過程を、一問一答形式で見ていきます。
Q. 当時、どんなチャレンジをしていたんですか?
なかのかほさん:
「300個出すっていうチャレンジをした時に。
殻破りましょうねって言われて。」
Q. 300個出した時、自分ではどんな感覚だったのでしょうか?
なかのかほさん:
「私はもうなんかすごいよく出せたねって言ってもらえると思って出したんだけど、かほさん、これはまだですって言われて。
で優等生やめませんか?って言われた時に。
最初やっぱりやめましたけどって思って、私もこんなに殻破ったんですけどって思っDけど、いやいやもっともっとやりたいことあるはず。」
Q. そこから出てきたのが「おしゃれ社長」だったんですね。
なかのかほさん:
「おしゃれ社長っていうフレーズをもらったんですけど、もう完全にそれって子供が。とかママとかを捨てた言葉だったんですよね。私の中で。
それで行こうよって言われた時に。
それでいいんですか?みたいな。
ところが入って。
そこで一個家族のために書かなきゃって思ってたけど、そうじゃなくてもいいんだなってなって。」
Q. 「おしゃれ社長」が出たら、すぐに本当の夢が見つかったんですか?
なかのかほさん:
「だけど、実はおしゃれ社長でずっと腹落ちしてなくって、なんかなんか違うなって思ってた。のをずっとaiと壁打ちしてた時にその菊地風魔が出てきて。」
Q. そこから、何が本当に欲しかったのかが見えてきた?
なかのかほさん:
「私って別におしゃれになりたいわけではなく、って。
憧れの人と堂々と一緒に横に並べたりとか、未来に向かった会話ができる。自信のある自分になりたいんだ。
気がついたときに。
本当に自分のために自分の思いだけに忠実に描き始められた。っていうのがあります。」
Q. 最終的には、どんなことに気づいたのでしょうか?
なかのかほさん:
「これは私出さなかったからずっと夢見つからなかったんだ。
って思って、どんどんその欲に忠実になっていけたのかなって。いうのがあります。」
インタビューからわかること|突破口は「もっと出す」ではなく「何を不採用にした?」
300個も出しているのですから、「やりたいことを考える量が足りなかった」とは言いにくいでしょう。
重要なのは、その中でどこまで自分自身へ許可を出せていたかです。
かほさん自身は、かなり殻を破ったつもりでした。
ところが「優等生やめませんか?」という問いによって、さらにその外側があることに気づいていきます。
そして「おしゃれ社長」という、それまでの「ママだから」「家族のために」という枠から離れた言葉が出てきました。
さらに、その言葉にも違和感を持ち続けたからこそ、最終的には「おしゃれになりたい」のではなく、どんな自分になりたいのかまで掘り下げることができました。
ポイント① 「優等生」は、いい答えを出せるからこそ自分でも気づきにくい
優等生的な答えの難しさは、明らかに嘘ではないことです。
家族を大切にしたい。社会に貢献したい。お客様を幸せにしたい。仕事で結果を出したい。
どれも本当に大切にしているかもしれません。
だからこそ、その答えの中に「自分自身が何を見たいか」が抜けていても気づきにくくなります。
正しいか間違っているかではなく、
この夢には「誰かのため」だけでなく、「私がこれを見たい」が入っている?
と確認してみてください。
ポイント② 恥ずかしくて消した願いほど、一度研究材料にしてみる
夢を探す時、「出したもの」だけを見るのではなく、「出さなかったもの」に注目します。
- 一瞬浮かんだけれど、すぐ消した
- 人に言うのは恥ずかしい
- 夢というほど立派ではないと思った
- 仕事に関係がないから外した
- 自分勝手に見えそうだから書かなかった
- 「そんなの無理」と思って考えるのをやめた
これらを「本当の夢」と決める必要はありません。
ただし、消す前に「なぜこれが浮かんだ?」を研究する。
そこに、自分が求めている自由、自信、表現、挑戦、つながりなどのヒントが隠れていることがあります。
ポイント③ 最初に出た言葉を「最終回答」にしなくていい
「おしゃれ社長」という言葉は、かほさんにとって大きな前進でした。
それまで夢に入れていた「ママ」「家族」という役割から離れ、自分自身の願いを考える入口になったからです。
一方で、その言葉にも違和感が残りました。
ここで重要なのは、「せっかく決めたから」と違和感を無視しなかったこと。
AIとの壁打ちを続けたことで、表面的な「おしゃれ」の奥にある、自分が本当に求めていた人物像へ近づいていきました。
夢の言葉は、一発で当てる必要はありません。
仮の言葉を置き、「何が合っている?」「何が違う?」と更新していくことで、本音に近づくことができます。
「優等生の夢」から抜け出すための7つの問い
答えが幼くても、まとまっていなくても構いません。
最初に必要なのは、立派な夢を完成させることではなく、今まで不採用にしていた自分の反応を見つけることです。
「本音を出そうとすると止まる理由」もHEROコード診断で研究してみる
「本当の夢が見つからない」女性起業家のFAQ
- Q1. やりたいことを100個以上書いても、本当の夢がわからないのはなぜですか?
数をたくさん出すことは、自分の制限を外すための有効な入口です。ただし、数が増えれば必ず本音へたどり着けるとは限りません。なぜなら、書き出す段階ですでに「これは夢としてアリ」「これは人に言えないからナシ」という選別をしている可能性があるからです。たとえば100個書いていても、仕事につながること、家族のためになること、人から見て素敵なことだけを採用していれば、自分の中に浮かんだ別の願いは残りません。そこで、書いた100個をさらに増やす前に、「書かなかったもの」を振り返ってみます。一瞬浮かんだけれど恥ずかしくて消したこと、現実的ではないと却下したこと、誰の役にも立たないと思って外したことはなかったでしょうか。それをすぐ夢として採用する必要はありません。まずは「なぜ私はこれを消した?」「なぜ一瞬でもこれが浮かんだ?」と研究することで、自分が無意識に持っている夢の採用基準と、その奥にある本音が見えやすくなります。
- Q2. 「優等生の夢」になっているかどうかは、どう見分ければいいですか?
一つの目安は、「その夢を誰にも見せないとしても、同じ言葉を書くか?」です。優等生的な夢は、嘘だから問題なのではありません。家族を幸せにしたい、お客様に貢献したい、社会を良くしたい、売上を伸ばしたいという願いは、本当に大切なものかもしれません。ただし、その夢を人に説明する時に「ちゃんとして見える」「評価されやすい」「起業家らしい」という理由が強く混ざっていると、自分自身の願いが後ろへ隠れることがあります。そこで「誰にも見せない夢ノート」を別につくり、人からどう見られるかを考えずに書いてみてください。そして公開用の夢と比較します。差があること自体は問題ではありません。その差に「私は本当は何を求めている?」「なぜこちらは人に言いにくい?」と問いを立てることが重要です。優等生をやめるとは、立派な夢を捨てることではなく、自分がどこで答えを整えているかに気づくことです。
- Q3. 「こんな夢を持つなんて恥ずかしい」と思うものも書いた方がいいですか?
公開する必要はありませんが、自分自身の研究材料としては一度残してみることをおすすめします。恥ずかしいと感じる願いのすべてが「本当の夢」だとは限りません。ただ、強い恥ずかしさや抵抗が出るところには、自分が長く禁止してきた願いや、「こんな自分であってはいけない」という基準が隠れていることがあります。たとえば「有名になりたい」と書くのが恥ずかしいなら、単に知名度が欲しいのではなく、自分の存在を認めてほしい、自分の考えをもっと広く届けたい、大きな舞台へ挑戦してみたいという願いがあるかもしれません。「憧れの人と会いたい」なら、その人との出会いそのものより、その人と堂々と話せる自分になりたいのかもしれません。大切なのは、願いを文字どおり叶えると即決することではなく、「なぜ私はこれに心が動く?」を掘ることです。恥ずかしさを理由に削除する前に、その奥にある自分の価値観を研究してみてください。
- Q4. 自分の欲に忠実になると、わがままになりませんか?
「自分が何を望んでいるかを知ること」と「周囲を無視して自分の希望だけを押し通すこと」は分けて考えられます。夢を描く最初の段階で家族、お客様、周囲の期待をすべて考慮すると、本当に自分が何を求めているのかがわからなくなることがあります。まず「私は何を見たい?」「どんな自分になりたい?」を制限せずに考え、その後で現実との接点を設計します。たとえば自由に海外へ行きたいという夢が出たとしても、明日すべてを投げ出して海外へ行くという意味ではありません。なぜ海外へ行きたいのかを研究し、家族との時間や仕事、お金とどう両立できるかを次の段階で考えればいいのです。自分の欲を知ることは、周囲を大切にしない宣言ではありません。むしろ、自分自身が何を望んでいるのかわからないまま周囲へ合わせ続けるより、自分の願いと周囲の願いの両方を把握した方が、現実的な選択肢を考えやすくなります。
- Q5. 一人で考えても本音が出てこない場合は、どうすればいいですか?
一人で考えることに限界を感じたら、誰かとの対話やAIとの壁打ちを使う方法があります。自分の中では当たり前になっている価値観や「これは夢に入れない」という基準は、一人では気づきにくいからです。なかのかほさんの場合も、自分では300個出して十分に殻を破った感覚がありました。そこへ外側から「これはまだです」「優等生やめませんか?」という問いが入ったことで、さらに先を考えるきっかけが生まれています。また「おしゃれ社長」という言葉に違和感を持った後も、AIとの壁打ちを続けたことで、その言葉の奥にある「自信のある自分になりたい」という願いへ近づいています。対話相手に答えを決めてもらうのではなく、「なぜ?」「それの何がいい?」「もし誰にも見られなかったら?」と、自分では立てなかった問いをもらうことがポイントです。答えを教えてもらうためではなく、自分の思考の外側へ出るために対話を活用してみてください。
- Q6. 一度「これが夢だ」と決めた後に違和感が出たら、また探し直すべきですか?
ゼロから全部探し直す必要はありません。今の夢に感じる違和感そのものを、次の夢を発見する材料にできます。なかのかほさんにとって「おしゃれ社長」は、それまで自分にかけていた「母親として」「家族のために」という制限を外す重要な一歩でした。ところが、その言葉ですべてが腹落ちしたわけではありません。「なんかなんか違うな」という感覚が残っていました。そこで「この夢は間違いだった」と捨てるのではなく、「何が違うのか」を考え続けたことで、おしゃれそのものではなく、憧れの人と堂々と並び、未来について話せる自信のある自分になりたいという願いが見えてきました。このように、今の夢の「合っている部分」と「違う部分」を分けてみます。夢は正解を一度で当てるものではなく、仮説を置き、違和感を集め、更新しながら自分との一致度を高めていくものとして扱うことができます。
- Q7. 本音の夢が見つかったら、次に何をすればいいですか?
夢が見えてきたら、次は「この夢を持っている私なら、今日何を選ぶ?」まで小さく落としてみます。夢は見つけた瞬間に大きな行動へ変える必要はありません。たとえば「憧れの人と堂々と未来の話ができる自分になりたい」という人物像が見えたなら、その自分に近づくために今日は何を学ぶのか、どんな人と話すのか、何を発信するのかを考えます。そして実際に一つ試し、「やってみたらどう感じた?」「さらにやりたいと思った?」「何か違った?」を記録します。夢を考える→小さく動く→自分の反応を見る→夢を更新する、という循環をつくることで、頭の中だけで夢を完成させようとする状態から抜けられます。本音の夢は、発見して終わるゴールではありません。その未来を仮説として使いながら、今日の選択を少し変え、自分自身についてさらに新しい情報を集めていくための判断基準として活用してみてください。
動画でもう一度見る|自分では殻を破ったつもりだった。その先にあった本音
この記事の監修|吉野加容子


吉野加容子
YELL’s大学 学長。学術博士。脳科学・学習行動の専門家。
YELL’s大学では、知識や診断結果を知って終わるのではなく、自分で問いを持ち、考え、決め、動き、その経験を記録しながら次の考動へつなげることを大切にしています。
記録についても、成功した成果だけを残すのではなく、途中で何を考え、どこで止まり、何を試し、何があったから次へ進めたのかを研究材料として残します。
完成した人の答えを見せるだけではなく、挑戦のプロセスから「次の人が再現できる問いや考動」を発見していくことも大切にしています。
また、記録することと公開することは同じではありません。まず本人が自分自身の経験を詳しく振り返り、その後、第三者の情報や公開する必要のない内容を除き、誰かの未来に役立つ部分へ編集していきます。
まとめ|本当の夢を探すなら「出した答え」より「不採用にした答え」を見る
やりたいことをたくさん出した。
以前より自由に考えられるようになった。
それでも、本当の夢が見つからない。
そんな時に必要なのは、さらに立派な夢を考えることではないかもしれません。
一瞬浮かんだのに、私は何を消した?
人に言ったら恥ずかしいから?
夢らしくないから?
誰の役にも立たないから?
起業家らしくないから?
そんな理由で不採用にした願いの中に、まだ自分が許可できていない本音があるかもしれません。
なかのかほさんも、自分では十分に殻を破ったと思っていたところから、さらに夢を更新していきました。
「優等生やめませんか?」という問いは、今までの夢を否定するためではなく、まだ自分が出していないものを発見する入口になったのです。






































