ー チームを育てる女性代表からのご相談 ー
「やってみたら伸びそうなのに、失敗するのが怖くて動けないメンバーがいます。
新しい仕事をお願いすると、
『私にできますか?』
『間違っていたらどうしよう』
と何度も確認してきます。
本人なりに考えているのはわかるんです。
むしろ、ちゃんとやりたい気持ちが強いからこそ、
慎重になっているんだと思います。
だけれども、
考えれば考えるほど動けなくなって、
最後は私が
『大丈夫だからやってみよう』
と背中を押さないと進めない。
私としては、
失敗しない人になってほしいわけではありません。
わからないことがあっても、
『まずやってみます』
『違ったら修正します』
と、自分で一歩踏み出せるようになってほしいんです。
だけれども、
『失敗しても大丈夫だよ』と言うだけでは、
なかなか変わりません。
間違えることを怖がるメンバーが、
自信がつくまで待つのではなく、
怖くても自分で次の一手を決められるようになるには、
どう育てたらいいのでしょうか?」
ー YELL’s大学からの回答 ー
目指したいのは、
「怖くなくなったから動ける人」だけではなく、
「怖い時にどうするかを自分で決められる人」
なのかもしれません。
まるやまあやかさんも、
もともと怖さを感じない人だったわけではありません。
むしろ、
「ここ怖いなあ」と引っ込んでしまう自分がいました。
それでもある挑戦では、
「送ったら迷惑かな?」と迷いながら、
行動しないまま後悔することと、
やってみて違ったと知ることを比べたんです。
そして、
「行動せずに後悔することの方が取り戻せない」
と考えて、自分から一歩踏み出しました。
研究したいのは、
怖さをなくす方法だけではありません。
怖くなった瞬間に、本人が何を考えれば、
自分でもう一度動き出せるのか。
その「戻り方」を本人の中につくることです。
「失敗しても大丈夫」と励まし続けるのではなく、怖くなった時に自分で次の一手を選べる人を育てる。
挑戦できる人とは、怖さを感じない人とは限りません。怖くなった時に「じゃあ私はここからどうする?」と考え直せる人もまた、挑戦を続けられる人です。
この記事では、怖さを感じると引っ込んでしまっていたまるやまあやかさんが、「行動せずに後悔することの方が取り戻せない」と考えて自分から一歩踏み出し、未来の自分へのラブレターで金賞を受賞した実際の事例をもとに、失敗を怖がるメンバーが自分で挑戦を選べるようになる関わり方を紹介します。
動画で見る|怖さがあっても「やってみる」を選べるようになるまで
こんなお悩みはありませんか?
- 新しい仕事を任せると「間違っていたらどうしよう」と止まる
- 何度も確認してからでないと動けない
- 本人に能力はあるのに、失敗を怖がって挑戦しない
- 「大丈夫だよ」と毎回代表が背中を押している
- 一度うまくいかないと、自信をなくして引っ込んでしまう
- 失敗しない人ではなく、自分で修正しながら進める人になってほしい
まるやまあやかとは?
まるやまあやか
母子分離不安・幼児期の繊細な子の心と脳を強くする専門家
「ママがいい」と離れられない繊細な年少の息子👦が
「やってみたい」と挑戦できるようになった
脳を育てる親子会話🦸
- 発達科学コミュニケーショントレーナー
- 「HSC・繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング」
- 翼くんのママ
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失敗を怖がるメンバーに「失敗しても大丈夫」と言うだけでは変わらない理由
代表からすると、
「別に間違えても怒らないのに」
「やってから直せばいいのに」
「そこまで慎重にならなくても大丈夫なのに」
と思うかもしれません。
だけれども本人の中では、
間違える
↓
「私にはできない」
↓
自信をなくす
↓
次はもっと慎重になる
↓
確認しないと動けなくなる
という流れが起きている可能性があります。
その場合、必要なのは「絶対に失敗しない方法」を増やすことだけではありません。
間違えた時にも、自分を全部否定せず、次を選べる経験を増やすことです。
目指すのは「怖くない人」ではなく「怖くても選べる人」
挑戦できる人を見ると、
「この人は自信があるからできる」
「怖くないから動ける」
と思ってしまうことがあります。
あやかさんの記録から見えてくるのは、少し違う姿です。
あやかさん自身も、挑戦の前に怖さを感じています。
それでも、そこで終わらず、
「それで終わっていたら?」
というところから、もう一度立ち上がっています。

Before|「怖い」と感じると、引っ込んでしまっていた
あやかさんは、自分の変化を振り返る中で、以前の自分を「ここ怖いなあってひこ引っ込んでしまう私」と表現しています。
つまり、最初から勇気があったわけではありません。
怖い。
迷う。
本当にやっていいのかわからない。
そんな時に、止まってしまう自分がいました。
ここは、仕事で新しい役割を任された時に、
「間違えたらどうしよう」
「迷惑をかけたらどうしよう」
「やってはいけないことだったらどうしよう」
と考えて止まるメンバーとも重なります。
転換点|「やって失敗する」と「やらずに後悔する」を比べた
あやかさんに、その変化がはっきり現れた出来事があります。
未来の自分へのラブレターをつくっていた時のことです。
あやかさんは、チーターさんにも見てもらいたいと思いました。
だけれども、すぐに、
「送ったら迷惑かな?」
という怖さが出てきます。
以前なら、ここで行動しなかったかもしれません。
ところがこの時は、
もしやってはいけないことだったら、その時に「そうだったんだ」と知ればいい。
そして、
行動せずに後悔することの方が取り戻せない。
そう考え、自分からメッセージを送りました。
インタビュー|「送ったら迷惑かな?」それでも動いた時、何を考えていた?
Q.今回の経験を振り返って、どんな自分から始まったと思いますか?
まるやまあやかさん:
「ほんとこう。今回のこのテーマに合うなと思っとなんかもうここ怖いなあってひこ引っ込んでしまう私から始まりの。
いや、だけど、それで終わっていたらっていうところから立ち上がってみたいな感じでした。」
Q.未来の自分へのラブレターでは、どんな挑戦がありましたか?
まるやまあやかさん:
「あのー。
未来の自分へのラブレターを発表したんですけれども。
あ、あの金賞をいただけました。」
Q.その金賞の背景には、何があったんですか?
まるやまあやかさん:
「なんかうん。
いや、率直に。まああの金賞っていうのでうれしいのもあるんですけど。まあこれも。
あの。
私が勇気を出した。怖くても勇気を出したっていうのがああったんですよね。背景には。」
Q.具体的には、何が怖かったんですか?
まるやまあやかさん:
「っていうのも、あの。
チーターにも見てもらいたいって思って。
いやーチーターに。
送ったら迷惑かな?とか。
そうそういうふうに思って、ちょっと一瞬どうしようかなって思っと。」
Q.そこから、どうやって行動を選んだんですか?
まるやまあやかさん:
「なんかあの。
行動せずにあの。
後悔するよりも。
なんか。
行動して。
あ、もしあのやっちゃいけなかったら、例えばチータになんか直接言っちゃいけなかったら、まあその時はその時にあ、そうだったんだって思えればいっかって思って。
行動せずに後悔することの方が。
取り戻せないなって思って。
勇気を出せ、自分みたいな感じであのチーターにメッセージしました。」
Q.メッセージを送った後はどうなりましたか?
まるやまあやかさん:
「で、あのちょっとチーターともお話ししながら、うん、最後ブラッシュアップ。
して本当に自分。
自分があの怖いなって思っと時に。
どうしていくか。
っていうのが込められているので、本当に未来の自分への。
メッセージになっております。」
After|怖さが消えるのを待たず、自分で「やる」を選べた
この事例で大切なのは、金賞だけではありません。
金賞は、行動した後に生まれた結果です。
その前にあった変化は、
Before
怖い
↓
「やめておこう」
↓
引っ込む
After
怖い
↓
「やらずに後悔するのと、やって違うと知るのはどちら?」
↓
自分で決める
↓
動いてみる
↓
必要ならブラッシュアップする
「怖い」という感情そのものがなくなったから動いたのではありません。
怖さがある状態で、何を基準に次を選ぶかが変わっています。
この事例から女性代表が研究できること
失敗を怖がるメンバーを見ると、代表は安心させたくなります。
「絶対大丈夫」
「失敗しても怒らないから」
「私が責任取るからやってみて」
もちろん、安心して挑戦できる環境は大切です。
一方で、それだけが続くと、
「代表から大丈夫と言われたから動く」
という状態になる可能性もあります。
あやかさんの事例から研究できるのは、本人自身が怖さと行動を比べ、自分で選んでいることです。
「間違えたらどうしよう」と止まった時に使える5つの問い
1|今、何が一番怖い?
「怖がらなくていい」と消す前に、本人が何を怖がっているのかを具体的にします。
2|もしやって違ったら、何が起きる?
漠然とした「失敗」を、修正可能な出来事なのか、慎重に扱うべきリスクなのかに分けます。
3|やらなかったら、何が残る?
「行動するリスク」だけではなく、「行動しない選択」も比較できるようにします。
4|全部ではなく、どこまでなら試せる?
挑戦を0か100かにせず、小さく試せる一歩へ変えます。
5|やってみて違ったら、次はどう直す?
成功するか失敗するかではなく、行動後の修正まで含めて考えます。
何でも「まずやってみて」にすればいいわけではない
ここは、とても大切です。
「怖くても動こう」という考え方は、確認が必要な仕事まで勝手に進めることとは違います。
例えば、金銭・契約・個人情報・顧客への重要な案内など、間違えた時の影響が大きい仕事では、事前確認が必要です。
一方で、
- 企画案を一度つくってみる
- 会議で自分の意見を出してみる
- 相談する前に自分の仮説を持ってみる
- 小さな改善を試してみる
- 新しい役割に手を挙げてみる
といった試してから学べる領域では、本人が自分で一歩を選ぶ経験を増やせます。
代表が言わなくてよくなることは何?
本人が「怖い時の戻り方」を持てるようになると、代表が毎回、
- 「大丈夫だからやって」
- 「間違ってもいいから」
- 「私が責任取るから」
- 「そんなに考えなくて大丈夫」
- 「自信持って」
と、外から勇気を補給し続ける状態を減らせる可能性があります。
代わりに本人から、
「ちょっと怖いんですが、まずここまでやってみます」
「違ったら修正できるので、一度試します」
「ここだけはリスクがあるので、ここは確認させてください」
「私はこう考えたので、この方法で進めたいです」
という言葉が出てくる。
これは、単に行動量が増えることとは違います。
自分でリスクを考え、自分で次の一手を選び、必要なら修正する人材へ近づいている状態です。

よくある質問|失敗を怖がって挑戦できないメンバーの育て方
- Q1. 失敗を怖がる部下には「失敗しても大丈夫」と言えばいいですか?
安心して挑戦できる環境を伝えることは大切です。ただ、「大丈夫」と言われないと動けない状態が続くなら、本人自身が判断するための問いも必要です。「何が怖い?」「もし違ったら何が起きる?」「やらなかった場合は何が残る?」と整理し、本人が行動する・確認する・小さく試すといった次の一手を選べるようにします。あやかさんも怖さそのものが消えてから動いたのではなく、「行動せずに後悔することの方が取り戻せない」と自分で考えて一歩を選んでいます。代表が勇気を与え続けるだけでなく、本人の中に判断材料を増やすことがポイントです。
- Q2. 「間違えたらどうしよう」と何度も確認してくるメンバーにはどう対応しますか?
確認そのものを禁止するのではなく、「何を確認したいのか」を具体的にしてもらいます。「あなたはどう考えている?」「どこまでは自分で決められそう?」「どの部分だけ判断が必要?」と問い、本人の仮説を持って相談してもらう方法があります。例えば「どうしたらいいですか?」だけではなく、「私はAだと思うのでここまで進めたいです。ただ、この部分は影響が大きいので確認したいです」と持ってこられる状態です。確認する力も仕事には必要です。目指したいのは確認しない人ではなく、自分で考えたうえで、本当に確認が必要なポイントを判断できる人です。
- Q3. 挑戦させて失敗したら、本人がさらに自信をなくしませんか?
失敗した出来事をそのまま「私はダメだった」という自己評価で終わらせない振り返りが重要です。「何を試した?」「どこまではできた?」「予想と違ったのはどこ?」「次なら何を変える?」と、出来事と本人自身の価値を分けて研究します。また、最初から大きな失敗につながる仕事を渡すのではなく、小さく試せる範囲を設計することもできます。挑戦とは、無計画にリスクを取ることではありません。試す→結果を見る→修正する、という経験を積むことで、「一度で正解しなければいけない」から「やりながら学べる」へ認識を変えていく方法があります。
- Q4. 慎重な性格のメンバーを無理に行動派へ変える必要がありますか?
慎重さそのものをなくす必要はありません。慎重だからこそ気づけるリスクや、丁寧に確認できる力が仕事に役立つ場面もあります。問題になるのは、慎重さによって本人が進みたいことまで毎回止まってしまう場合です。その時は「慎重にならなくていい」ではなく、「このリスクは事前確認が必要?」「ここは試してから直せる?」と分けて考えます。本人らしさを否定して大胆な人へ変えるのではなく、慎重さを持ったまま必要な挑戦を選べる状態を目指します。強みを消して別人にするのではなく、その人なりの進み方を増やす人材育成です。
- Q5. 「まずやってみる」を推奨すると、勝手に判断する人になりませんか?
そのため、組織では「自分で試していい範囲」と「事前確認が必要な範囲」を明確にすることが重要です。金銭、契約、顧客への重要な約束、個人情報など影響が大きいものは確認する。一方、企画のたたき台をつくる、改善案を考える、自分の意見を出すなど、修正可能なものはまず試す。この境界が曖昧だと、本人も「全部聞いた方が安全」と考えやすくなります。主体性とは何でも自己判断することではありません。どこまで自分で決め、どこから相談するかまで自分で考えられることも、主体性の一つです。
- Q6. 自信がついてから挑戦させる方がいいのではないですか?
準備や練習が必要な場面はもちろんあります。一方で、「十分な自信がつくまで行動しない」という条件にすると、実際にやってみない限り得られない経験が増えません。あやかさんの事例でも、怖さがなくなった後にメッセージを送ったのではなく、迷いや怖さがある中で「行動しない後悔」と比較して動いています。そして実際に対話しながらブラッシュアップしています。自信→行動という一方向だけではなく、小さく行動する→経験が増える→次の行動を選びやすくなる、という育ち方もあります。安全に試せる一歩を設計することが重要です。
- Q7. 最終的に、代表が背中を押さなくても挑戦できるようになりますか?
全員が同じように変化すると断定することはできません。ただ、代表の「大丈夫」という言葉だけを行動の条件にせず、本人自身が「何が怖いのか」「やった場合とやらない場合はどう違うか」「どこまでなら試せるか」「違ったらどう修正するか」を考える経験を積めば、自分で次の一手を決める材料は増やせます。あやかさんの事例では、「送ったら迷惑かな?」という迷いがありながら、自分で考えてメッセージを送り、その後の対話でブラッシュアップしています。目指すのは怖さがゼロの人ではなく、怖さがあっても自分の未来から行動を選び直せる人です。
動画で研究する|「怖いからやめる」以外の選択肢を持てるようになるまで
この記事の監修|吉野加容子

吉野加容子
YELL’s大学 学長。学術博士。脳科学・学習行動の専門家。
YELL’s大学では、知識や診断結果を知って終わるのではなく、自分で問いを持ち、考え、決め、動き、その経験を記録しながら次の考動へつなげることを大切にしています。
記録についても、成功した成果だけを残すのではなく、途中で何を考え、どこで止まり、何を試し、何があったから次へ進めたのかを研究材料として残します。
完成した人の答えを見せるだけではなく、挑戦のプロセスから「次の人が再現できる問いや考動」を発見していくことも大切にしています。
また、記録することと公開することは同じではありません。まず本人が自分自身の経験を詳しく振り返り、その後、第三者の情報や公開する必要のない内容を除き、誰かの未来に役立つ部分へ編集していきます。
まとめ|「失敗しない人」ではなく、怖くても自分で次を選べる人を育てる
挑戦する人も、怖さを感じます。
あやかさんも、
「送ったら迷惑かな?」
と迷っていました。
それでも、
行動せずに後悔することと、行動して違ったと知ることを比べた。
そして、自分からメッセージを送りました。
その後、対話しながらラブレターをブラッシュアップし、金賞という結果にもつながっています。
「怖くないからできる」ではなく、「怖い。じゃあ私はここからどうする?」を自分で考えられる人へ。
代表が毎回背中を押さなくても、本人が自分で考え、挑戦する範囲を決め、動き、必要なら修正する。
そんな経験の積み重ねが、失敗を避け続ける人ではなく、自分で次の一手を選びながら成長できる人材を育てる一つの方法になります。





























