ー チームを育てる女性代表からのご相談 ー
「仕事はできるのに、周りと比べた瞬間に自信をなくしてしまうメンバーがいます。
普段はちゃんと仕事をしてくれるし、
私から見れば、できていることもたくさんあります。
だけれども、
誰かが成果を出したり、
自分より発言できる人がいたりすると、
急に自信がなくなってしまうんです。
『○○さんはできているのに、私は……』
『私にはまだ無理だと思います』
『もっとできるようになってからやります』
そんな言葉が増えて、
さっきまで動いていたのに止まってしまう。
私から見ると、
その人にしかない良さもあるし、
前よりできるようになったこともたくさんあります。
だから、
『あなたも十分できてるよ』
『比べなくていいんだよ』
と伝えるんですが、
また誰かを見ると元に戻ってしまいます。
本人が周りではなく、自分自身の成長を見ながら進めるようになるには、
代表として何をしたらいいのでしょうか?」
ー YELL’s大学からの回答 ー
「あの人と比べないで」と言うだけでは、
比較する癖はなかなか変わらないかもしれません。
なぜなら本人からすると、
周りのできていることは見えるのに、
自分ができるようになったことは見えていない
可能性があるからです。
そんな時に研究したいのは、
「比較しない方法」だけではありません。
「この人は、自分の成長を何で確認できる人なのか?」
です。
まるやまあやかさんも、
以前は周りのできている人を見るたびに、
「私はできない」と止まっていました。
そこから、自分のHERO性を知り、
自分にとっての「できた」を小さく記録するようになりました。
その数は、2か月ほどで525個。
そして、周りではなく
「昨日の自分から何ができるようになった?」
を見るようになったことで、
人との比較が減り、自分の成長を次の行動へ使えるようになっていきました。
「人と比べないで」と教えるより、「自分の成長が見える状態」をつくる。
周りを見た時に自信をなくしてしまう人には、他人を見ないようにすることよりも、自分自身の変化を判断材料にできるようになることが、一つの突破口になります。
この記事では、まるやまあやかさんが「あの人はできているのに、私はできない」と人と比べて止まっていた状態から、525個の小さな「できた」を記録し、自分自身の成長を見ながら進めるようになった実際の事例をもとに、人と比べて自信をなくすメンバーを育てる方法を紹介します。
動画で見る|「あの人はできるのに、私はできない」から抜け出すまで
こんなお悩みはありませんか?
- 優秀なのに、周りにすごい人がいると急に自信をなくす
- 他のメンバーの成果を見ると「私はできていない」と落ち込む
- 代表から見れば成長しているのに、本人はできていないところばかり見る
- 褒めても本人が受け取らず、すぐ他人との比較に戻ってしまう
- 「もっとできるようになってから」と挑戦を先延ばしにする
- 人と比べるのではなく、自分の成長を見ながら進める人になってほしい
この記事でわかること
- できる人ほど「他者比較」で止まることがある理由
- 「比べなくていいよ」だけでは変わりにくい理由
- あやかさんが525個の「できた」を記録した意味
- 他人との比較から、自分自身の成長を見るようになった変化
- 代表が1on1や日々の会話で使える問い
- 褒め続けなくても、本人が自分の成長を認識できる環境のつくり方
まるやまあやかとは?
まるやまあやか
母子分離不安・幼児期の繊細な子の心と脳を強くする専門家
「ママがいい」と離れられない繊細な年少の息子👦が
「やってみたい」と挑戦できるようになった
脳を育てる親子会話🦸
- 発達科学コミュニケーショントレーナー
- 「HSC・繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング」
- 翼くんのママ
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なぜ「できている人」ほど、他人と比べると止まってしまうのか?
代表から見ると、本人は以前より明らかに成長している。
できる仕事も増えた。
任せられることも増えた。
挑戦したこともある。
それなのに、本人は自信がない。
このズレが起こる理由の一つとして、本人が「自分のできたこと」を成長として認識できていないことが考えられます。
例えば、昨日までできなかったことが今日できても、
「こんなの普通」
「○○さんならもっとできる」
「結果が出ていないから、できたことにはならない」
と消してしまえば、自分の中には「できていない記録」ばかりが残ります。
その状態で周囲のできる人を見れば、当然、
「みんなはできている。私はできていない」
という認識になりやすくなります。
「比べないで」と言う前に、本人の中に比較できる記録をつくる
ここで重要なのは、比較そのものを禁止することではありません。
「誰と比較するのか」を変えることです。
周りの人
「あの人はあんなにできている」
↓
昨日・1週間前・1か月前の自分
「私は何ができるようになった?」
この比較をするためには、本人自身の変化が見える材料が必要です。
あやかさんにとって、その材料になったものの一つが「できた」の記録でした。

Before|「あの人はできているのに」と思うほど、自分は動けなくなっていた
あやかさんは、以前の自分について、怖さや自信のなさがあり、「できない」と感じると自分そのものを否定していたと振り返っています。
特に止まりやすかったのが、チームの人との比較でした。
周りには話せる人がいる。
トレーニングで発言できる人がいる。
その姿を見るたびに、
「あの人みたいに私はできない」
と落ち込み、そこからどんどん動けなくなっていくことがありました。
転換点|「できた」を結果だけで決めるのをやめた
あやかさんはHEROコード診断を通して、自分にとって「自己成長」がアクセルになることを知っていきました。
そこで始めたのが、自分のできているところを見つけ、記録することでした。
ポイントは、大きな成果だけを「できた」としなかったことです。
結果が出た。
成功した。
目標を達成した。
それだけではありません。
途中でやったこと。
考えたこと。
以前の自分ならできなかった小さな行動。
人から見れば「それってできたこと?」と思われるようなものまで、本人自身が「今日はこれをやった」と思ったことを記録するようになっていきました。
インタビュー|525個の「できた」を記録したら、何が変わった?
Q.以前、人と比べた時はどんな状態になっていましたか?
まるやまあやかさん:
「人と比べるチームの人と比べたりした時に、あの人みたいに私は話せない。あの人みたいにこう。
トレーニングとかで発言できないとか、私はできないってこう。
落ち込んで。
どんどんどんどん動けなくなるような。」
Q.「できた」は、どんなものを記録していたんですか?
まるやまあやかさん:
「最終的な結果のできた。できなかったのできた。じゃなくて。
途中経過でもこんなことをしたとか、こんなふうにああ思っとかなんかもう本当。
小さなこと。」
「別になんか人が見てそれってできたことじゃないよね?ってい今までだったら思われるだろうと思って書けなかったことも別にこう人がどう見たって関係ないなって思って。あ、自分が自分に。
こ、こんなこと今日やったって思ったってことを。
なんかもう本当にか?はい、書いていきました。」
Q.その記録は、どれくらいになりましたか?
まるやまあやかさん:
「あ525個。これのやつ。」
Q.525個を記録して、その後どんな変化がありましたか?
まるやまあやかさん:
「はい、あの、もう結構この頃からあのほんと人と比較するっていうのが無くなったんです。
だから、あの自分の。
昨日と比べてできるようになったこととかを本当に見て。」
Q.人と比べた時の考え方は、今どう変わりましたか?
まるやまあやかさん:
「人と比べてあの人はできてるのに私はできてないじゃなくて。
あの人はあの人でいいいところがある。私は私で私のいいところがある。じゃあ、そこを伸ばしていけば、私らしい。
主役ヒーローになれるっていう風に考えられるようになったかなっていうのは大きな変化だなって思います。」
After|「あの人はできる」から「昨日の私はどうだった?」へ
あやかさんに起きた変化は、単に「自信がついた」という一言では表しきれません。
変わったのは、自分を見る時の基準です。
Before
「あの人はできている」
↓
「それに比べて私はできていない」
↓
自信をなくす
↓
動けなくなる
After
「昨日の私はどうだった?」
↓
「今日はこれができた」
↓
自分の成長が見える
↓
「もっとできるようになりたい」と次へ進む
実際、あやかさん自身の記録にも、525個の「できた」を目に見える形にしたことで、「私こんなにやってることある!」と自信を持てるようになり、他者比較をしなくなったことが残されています。
この事例をチーム育成に置き換えると?
代表が欲しいのは、メンバーが一度だけ元気になることではないはずです。
毎回、
「あなたもできているよ」
「そんなに落ち込まなくていいよ」
「○○さんと比べなくていいよ」
と代表が励まさなければ戻れない状態では、本人の自信を代表が補給し続けることになります。
目指したいのは、本人自身が、
「あの人はできている」
↓
「私は何もできていない」
ではなく、
「あの人には、あの人の良さがある」
↓
「私は前より何ができるようになった?」
↓
「私の良さを、次はどう伸ばす?」
と、自分で戻ってこられる状態です。
代表が見たいのは「結果」だけではなく、成長の途中
ここで、あやかさんの525個の記録が重要になります。
あやかさんは「できた」を、最終結果だけにしていませんでした。
これは組織でも同じです。
結果だけを見ると……
- 契約できた/できなかった
- 目標達成した/しなかった
- 企画が成功した/しなかった
途中まで見ると……
- 前回より早く相談できた
- 初めて自分の案を持ってきた
- 言われる前に準備した
- 失敗した後、自分から改善案を考えた
- 今まで避けていた役割に手を挙げた
- 人に聞く前に、一度自分で調べた
こうした変化も、「自分で考えて動ける人」へ近づいている証拠です。
1on1で使える|「人と比べる」から「自分の成長を見る」へ変える5つの問い
1|1か月前の自分と比べて、何ができるようになった?
他人から本人へ、比較対象を戻します。
2|結果になる前の「できた」は何がある?
成果だけではなく、途中の行動や考え方の変化を見つけます。
3|前だったら止まっていたのに、今回はできたことは?
本人が当たり前にしてしまった成長を見つけます。
4|その「できた」が増えたのは、何をしたから?
偶然の成功で終わらせず、自分の成長方法を本人自身が理解できるようにします。
5|次に1%だけ成長するとしたら、何をやってみる?
「もっと頑張る」ではなく、本人が次の小さな考動を決めます。
「できた記録」をチームで使う時に気をつけたいこと
「できた」を記録する仕組みをつくっても、そこでまた他人との競争が始まれば、本来の目的から離れてしまいます。
大切なのは、
「誰が一番できたを出したか」
ではありません。
「本人が、自分の変化を見つけられたか」
です。
ある人にとっては大きな売上が「できた」かもしれません。
別の人にとっては、今まで怖くて言えなかった意見を会議で一度伝えたことが、大きな「できた」かもしれません。
人と比べるのではなく、本人のBeforeと今を比べる記録にします。
代表が言わなくてよくなることは何?
本人が自分の成長を認識できるようになれば、代表が毎回、
- 「あなたもちゃんとできてるよ」
- 「○○さんと比べなくていいよ」
- 「もっと自信持って」
- 「前より成長してるよ」
と、外から本人の価値を説明し続ける必要を減らしていける可能性があります。
代わりに本人から、
「○○さんはここがすごい。私は私で、ここを伸ばしたいです」
「前はできなかったけれど、今回はここまでできました」
「次はこれができるようになりたいです」
という言葉が出てくる。
そこまで進めば、他人の成果は「自分がダメだと証明する材料」ではなく、自分の次の成長を考える研究材料へ変わっていきます。

よくある質問|人と比べて自信をなくすメンバーの育て方
- Q1. 人と比べて落ち込む部下には「比べなくていい」と言わない方がいいですか?
「比べなくていい」と伝えること自体が悪いわけではありません。ただ、それだけでは本人の中に「自分をどう見ればいいか」という新しい基準が生まれないことがあります。そこで「1か月前より何ができるようになった?」「前なら止まっていたけれど、今回はできたことは?」と、自分自身の変化へ視点を戻します。あやかさんも、人との比較を我慢することだけに取り組んだのではなく、自分の小さな「できた」を記録し、昨日の自分からできるようになったことを見るようになりました。比較を禁止するより、自分の成長を確認できる材料を増やすという考え方です。
- Q2. 本人を褒めても「いや、全然できてません」と否定されます。どうしたらいいですか?
代表から評価を伝えることに加えて、本人自身に「できた」を発見してもらう方法があります。「私から見るとここが成長したよ」で終わらず、「あなた自身は何が前より変わったと思う?」「今回、自分で工夫したことは?」と問い返します。外から褒められたことだけが自信の材料になっていると、評価してくれる人がいない場面で自分を見失う可能性があります。自分で変化を見つけ、なぜできたのかまで言葉にできるようになると、自分自身の経験を次の挑戦に使いやすくなります。代表の評価と本人の自己認識の両方を育てていくことが大切です。
- Q3. 「できた記録」は、売上や成約などの成果だけを書けばいいですか?
あやかさんの実践では、最終結果だけを「できた」にしていませんでした。途中経過でやったことや思ったことなど、人から見れば「それは成果なの?」と思われそうな小さなことも、自分自身が「今日やった」と思ったものとして記録しています。組織でも同じように、初めて自分から提案した、早めに相談できた、失敗した後に改善案を考えた、苦手だった役割に手を挙げたなど、成果につながる途中の変化を記録できます。結果だけを評価すると、成果が出るまで本人には「できていない期間」が続きます。途中の成長も見えるようにすることで、次の実践につなげる材料が増えます。
- Q4. チーム全員で「できた」を共有すると、逆に比較が増えませんか?
運用の仕方によっては、比較につながる可能性があります。「誰が一番多く出したか」「誰の成果が一番大きいか」を競う仕組みにすると、他者比較が強くなる人もいるでしょう。目的は、全員が同じ成果を出すことではなく、それぞれが自分自身の変化を発見することです。「先週の自分から何が変わった?」「今回の挑戦で何を発見した?」というように、本人のBeforeと今を比べる設計にします。共有する場合も、成果の大きさではなく、どんな工夫や挑戦があったのかを研究する場にすると、他のメンバーの経験も「自分がダメな証拠」ではなく学びの材料として扱いやすくなります。
- Q5. 自信がないメンバーには、成功体験を積ませればいいのでしょうか?
成功体験は一つの材料になりますが、「大きく成功するまで自信が持てない」という状態にしないことも重要です。あやかさんが記録したのは、最終的な成功だけではありませんでした。途中で行動したこと、考えたこと、小さく変わったことも含めて自分の成長を見えるようにしています。仕事でも、大きな契約が取れた時だけではなく、初めて提案できた、前より準備できた、自分から相談できた、といった小さな考動を本人と確認できます。成功の有無だけで自分を評価するのではなく、「自分はどう成長しているか」を確認できる経験を積み重ねることが一つの方法です。
- Q6. 優秀なメンバーほど他人と比べるのはなぜですか?
「優秀だから比較する」と一律に決めることはできません。ただ、本人が高い基準を持っていたり、周囲のできる部分をよく見ていたりする一方で、自分の小さな成長を評価対象にしていない場合、他人との差ばかりが目に入ることがあります。あやかさんも、周囲が話せる、発言できる姿を見て「私はできない」と落ち込み、動けなくなることがありました。そこで重要なのは、本人の基準を下げることではなく、自分自身の成長も同じように観察できるようにすることです。「できていないところ」だけでなく、「何ができるようになったか」も判断材料に加えていきます。
- Q7. 最終的に、代表がいなくても本人が自信を取り戻せるようになりますか?
一つの事例だけから全員が同じ変化をすると断定はできません。ただ、本人が自分の成長を記録し、「何ができるようになったか」「なぜできたのか」「次に何を伸ばすか」を自分で振り返れるようになれば、代表からの励ましだけに頼らず、自分自身の経験を次の行動の材料にできる可能性があります。あやかさんの事例では、525個の「できた」を記録し、昨日の自分からできるようになったことを見るようになったことで、人との比較が減ったと語っています。目指すのは自信を外から与え続けることではなく、本人が自分の変化を発見できる状態を育てることです。
動画で研究する|「私はできない」から、自分の成長を見られるようになるまで
この記事の監修|吉野加容子

吉野加容子
YELL’s大学 学長。学術博士。脳科学・学習行動の専門家。
YELL’s大学では、知識や診断結果を知って終わるのではなく、自分で問いを持ち、考え、決め、動き、その経験を記録しながら次の考動へつなげることを大切にしています。
記録についても、成功した成果だけを残すのではなく、途中で何を考え、どこで止まり、何を試し、何があったから次へ進めたのかを研究材料として残します。
完成した人の答えを見せるだけではなく、挑戦のプロセスから「次の人が再現できる問いや考動」を発見していくことも大切にしています。
また、記録することと公開することは同じではありません。まず本人が自分自身の経験を詳しく振り返り、その後、第三者の情報や公開する必要のない内容を除き、誰かの未来に役立つ部分へ編集していきます。
まとめ|「人と比べない人」ではなく、「自分の成長へ戻ってこられる人」を育てる
周りに優秀な人がいれば、比較する瞬間はあるかもしれません。
重要なのは、比較した瞬間に、
「だから私はダメだ」
で止まり続けるのか。
それとも、
「あの人にはあの人の良さがある。私は何ができるようになった?」
と、自分自身へ戻ってこられるのか。
あやかさんは、自分にとっての小さな「できた」を記録し、その数を525個まで積み重ねました。
そして、昨日の自分からできるようになったことを見ることで、人との比較が減ったと話しています。
代表が毎回「あなたもできてるよ」と教えるのではなく、本人が「私はここまでできるようになった」と発見できるチームへ。
その積み重ねが、周りの成果に振り回されるのではなく、自分の強みと成長を使って次の一歩を決められる人材を育てる一つの方法になります。





























