「成果は出ている。実力もある。それなのに、なぜ“次のリーダーになる”と決めてくれないんだろう?」
売上はつくれる。
お客様にも喜ばれている。
人前でも話せるようになった。
専門性も育ってきた。
主宰者から見れば、
「もう十分、次のリーダーになれる」
と思っている。
それなのに本人は、
「もう少し自信がついてから」
「私にできるかわかりません」
「今のままでも十分です」
「リーダーになるのはちょっと怖いです」
と、最後の一歩を踏み出さない。
そんなメンバーを見ていると、
「こんなに育ててきたのに」
「ここまで来たら、もう行くでしょう」
と感じることもあるかもしれません。
けれども、ここには、能力や売上では越えられない壁があります。
それが、本人自身の「決断」です。
こんなお悩みはありませんか?
- 実績のあるメンバーが、次のリーダーになることを怖がっている。
- 売上はつくれるのに、人を育てる立場へ進もうとしない。
- 「あなたならできる」と伝えても、本人が決め切れない。
- 次世代リーダー候補に、どこまで背中を押していいかわからない。
- 本人の覚悟が足りないように感じてしまう。
- 役職や認定だけ与えても、本当の意味でリーダーになった感じがしない。
- 主宰者ばかりが「この人ならできる」と信じている状態になっている。
- 本人の意思を尊重しながら、成長を止めたくない。
- 次世代リーダーへ進む「最後の壁」をどう支えればいいかわからない。
- 自分がいなくても未来を任せられる人を育てたい。
この記事でわかること
- 成果が出ても次のリーダーにならない理由。
- 「能力」と「決断」を分けて考える必要性。
- いたがきひまりさんが人材育成で発見した、決断の壁。
- 本人に無理やり決めさせない主宰者の関わり方。
- 決断の後にやってくる「恐怖」を支える考え方。
- 決断を「覚悟」へ変えていくために必要な環境。
この記事のポイント
「この人ならリーダーになれる」と思った時、
すぐに役職を渡したり、説得したりする前に、こんな問いを置いてみます。
本人は、本当にその未来を望んでいる?
リーダーになることで、本人は何を叶えたい?
何を失うことを怖がっている?
責任が増えること?
失敗すること?
家族とのバランス?
人から見られること?
主宰者の期待に応えられないこと?
その怖さを越えてでも進みたい未来は、本人の中にある?
「できる人だから任せる」ではなく、「本人がその未来を選べる状態をつくる」。
ここが、次世代リーダー育成の大切なポイントです。
いたがきひまりさんが気づいた「最後は本人が決めるしかない」という壁
いたがきひまりさんは、自分自身が成果を出すだけではなく、次の人を育てる側へ進みました。
自分が育ってきた一年を分解し、
次のリーダー候補へ段階ごとのゴールを置く。
必要な挑戦を渡す。
研究する経験を渡す。
成果をつくらせる。
人前で教える経験までつくる。
そこまで育成を進めていった中で、ひまりさんが最後にぶつかったのが、
「決断は周りの人がやってあげられない」
という事実でした。
どれだけ成果があっても。
どれだけ人気があっても。
どれだけ周囲から「あなたならできる」と言われても。
本人自身が、
「私はここへ進む」
と決めなければ、次のステージには進めない。
リーダーになる最後の一歩は、本人の中でしか起こせません。
「まだ覚悟がない」と決めつける前に、本人には未来が見えている?
次のリーダー候補が決め切らない時、
「覚悟が足りない」
「本気じゃない」
と見たくなることがあります。
けれども、本人からすると、
リーダーになった先の未来が見えていないだけかもしれません。
責任が増える。
忙しくなる。
人を育てなければならない。
失敗したら迷惑をかける。
そこしか見えていなければ、進みたいと思えないのも自然です。
だからこそ、ひまりさんは「次の立場へ進むことで、どんな世界をつくれるのか」という青写真を見せることを大切にしていました。
主宰者が一緒に描きたい未来
リーダーになったら、誰を応援できる?
今よりどんな仕事を任せられる?
あなたの経験を、誰へ手渡せる?
自分のチームを持ったら、どんな場所をつくりたい?
収入や働き方はどう変わる?
家族にどんな姿を見せたい?
その役割を持つことで、自分自身の夢はどう広がる?
責任だけではなく、その先にある「欲しい未来」を本人が描けるか。
ここが決断を支える一つの鍵です。
決断した瞬間に、怖さが消えるわけではない
ここでもう一つ、主宰者が知っておきたいことがあります。
本人が、
「やります」
「リーダーになります」
と決めたからといって、そこから迷わなくなるわけではありません。
むしろ、大きな決断をしたからこそ、
その直後に恐怖が大きくなることがあります。
「リーダーになる」と決める。
↓
現実味が増す。
↓
責任が見える。
↓
失敗する未来も想像する。
↓
「本当に私でいい?」と怖くなる。
↓
決断を撤回したくなる。
この揺れを、
「やっぱり本気じゃなかった」
と判断してしまうと、本人は一人で恐怖を抱えることになります。
決断後に怖くなることまで、成長の途中として扱う。
ここまで含めて支えることが、人材育成には必要です。
「決断」と「覚悟」は同じではない
ひまりさんは、人が次のリーダーへ進む過程で、
まず「決断」があり、
その後に「恐怖」があり、
そこを越えた先で「覚悟」に変わっていくと捉えていました。
決断
「私はこの未来へ進む」と、自分で選ぶこと。
恐怖
選んだからこそ見えてくる、責任・失敗・変化への怖さ。
覚悟
怖さがあっても、それでもこの未来へ進むともう一度選び直すこと。
覚悟とは、怖くなくなることではありません。
怖さを知った上で、それでも進むと決めること。
ここまで来た時に、役職ではなく本人の中からリーダーが生まれ始めます。
主宰者が「決めさせる」と、本人のリーダーシップを奪うことがある
優秀な人ほど、主宰者から見ると、
「あなたがやるべき」
「もうリーダーになるしかないよ」
と思うことがあります。
けれども、ここで本人の代わりに決断してしまうと、
最初は動けても、壁にぶつかった時に、
「私は本当はやりたくなかった」
へ戻ってしまうことがあります。
背中を押すことと、代わりに決めることは別です。
主宰者ができるのは、
未来を見せる。
可能性を伝える。
必要な情報を渡す。
怖さを一緒に言葉にする。
挑戦できる環境をつくる。
そこまで。
最後に「私はやる」と言うのは本人です。
リーダー候補の「怖い」をなくそうとしない
本人が怖がっていると、
「大丈夫だよ」
「そんなに心配しなくていいよ」
と言いたくなります。
けれども、本人が感じている恐怖には、理由があります。
だから、怖さを消すより、
怖さの正体を具体的にする方が役立つことがあります。
たとえば、こんなふうに聞いてみます。
何が一番怖い?
失敗すること?
人を育てられないこと?
売上が落ちること?
家庭との両立?
人から批判されること?
私の期待に応えられないこと?
その中で、今一番大きいものはどれ?
「なんとなく怖い」が、
「人を育てることに自信がない」
まで具体化できれば、必要な経験も変わります。
決断を覚悟へ変える5ステップ
主宰者が望む未来ではなく、本人の未来から始めます。
「リーダーになったら何が嬉しい?」
そこを言葉にします。
責任だけではなく、できるようになること、広がる可能性も見ます。
本人が「それなら進みたい」と思える未来を具体化します。
説得し切ることをゴールにしません。
時間が必要なら考える時間を渡します。
自分の言葉で「やる」と言えることを大切にします。
決めた後に不安になっても、後退と判断しません。
「今何が怖くなった?」
と確認します。
決断だけで終わらせず、実際に小さな役割を持ちます。
一人を育てる。
一つの企画を任せる。
一度チームを進行する。
「私はやれる」という根拠を、経験で増やしていきます。
いたがきひまりさん自身も「リーダーになる側」と「育てる側」を経験してきた
現在のいたがきひまりさんは、ASDグレーゾーン専門家として活動しています。
- ママのためのオンラインスクール「Nicotto講座」主宰
- 発達科学コミュニケーションマスタートレーナー
- 300組の癇癪・登校しぶり・母子分離不安を改善
- 母子登校・分離不安・HSC・子どもの不安症に特化
- ASDグレーゾーン子育ての解説・ノウハウを毎日発信
Instagram|@itagaki_himari
ASDグレーゾーン専用小冊子もInstagramプロフィールから案内されています。
ひまりさん自身も、最初から堂々とリーダーだったわけではありません。
自信がないところから、自分で挑戦を決め、壁を越え、人を育てる立場へ進んできました。
だからこそ、その後の人材育成でも、
最後に本人が決めなければ、本当の意味で次のステージには進めない
ということを実感していったのです。
まとめ|主宰者が信じることと、本人が決めることは別
「この人ならできる」
主宰者がそう信じることは大切です。
可能性を見つける。
未来を見せる。
挑戦を渡す。
怖い時にはそばにいる。
ここまで主宰者はできます。
けれども、
本人の人生のハンドルまで握ることはできません。
「私はこの未来へ進む」
と本人が決める。
決めたから怖くなる。
その怖さを一緒に越える。
そこで初めて、決断が覚悟へ変わっていきます。
役職を与えるのではなく、本人が自分の意思でリーダーになる。
そこまで育てられた時、次世代リーダー育成は一段深くなります。
次世代リーダー育成・コミュニティ運営のFAQ
- Q1. コミュニティで次世代リーダーが育たないのはなぜですか?
-
コミュニティで次世代リーダーが育たない理由を、「本人のやる気が足りない」「リーダーシップがない」と本人だけの問題にすると、育成の打ち手が見えにくくなります。まず確認したいのは、その人がどの段階で止まっているかです。そもそも自分がリーダー候補だと思っていないのか、役割は理解しているけれど失敗が怖いのか、主宰者から言われた仕事はできても自分で判断する経験が少ないのか、人を育てる経験がないのか、本人がその未来を望んでいないのかによって、必要な関わりは変わります。また、主宰者が優秀であるほど、答えを早く渡しすぎることがあります。問題が起きれば主宰者が判断し、企画が止まれば主宰者が修正し、メンバーが迷えば正解を教える。この状態が続くと、メンバーは「困ったら代表に聞く」という動き方を覚えます。次世代リーダーを育てたい場合は、いきなり大きな役職を与えるのではなく、一つの企画を任せる、一人の後輩をサポートする、自分で判断してから相談するなど、小さなリーダー経験を増やすことが大切です。そして結果だけではなく、「何を見て判断した?」「どこで迷った?」「次はどうする?」と考えたプロセスを振り返ります。さらに重要なのは、本人が「なぜリーダーになりたいのか」を持てていることです。主宰者が望むからではなく、その役割を持つことで誰を応援したいのか、どんなチームをつくりたいのか、本人の未来と役割をつなげる。次世代リーダーは、任命だけで育つのではなく、本人の心が動く未来、判断経験、挑戦、振り返りが積み重なった結果として育っていきます。
- Q2. 売上を出せるメンバーをリーダーにしても大丈夫ですか?
-
売上を出せることは、次世代リーダー候補を見る上で重要な材料の一つです。ただし、「売上が高い=人を育てられるリーダー」とそのまま判断するのは注意が必要です。自分で成果を出す力と、他の人が成果を出せるように支援する力は別だからです。自分なら感覚的にできることを言語化できるか。相手が自分と違う考え方をしても、すぐに否定せず理解しようとできるか。答えを渡すだけではなく、本人に考えさせる問いを持てるか。相手の現在地に合わせて挑戦の大きさを変えられるか。失敗した人を能力不足と決めるのではなく、どこで止まったのかを一緒に確認できるか。こうした力は、売上とは別に育てる必要があります。いたがきひまりさんの人材育成でも、自分が成果を出した方法をそのまま押しつけるのではなく、「自分はどんな順番で成長したのか」「何が転機になったのか」を分解し、次の人へ研究、発信、企画、販売、人前で教える経験などを段階的に渡していました。つまり、売上を出している人をすぐ役職につけるより、まず一人の後輩を担当してもらう、小さな企画を任せる、勉強会で教えてもらうなど、「人を育てる側」の経験を少しずつ増やす方法があります。その中で、本人が他者の成長を喜べるか、相手に合わせて関わりを変えられるか、問題が起きた時に逃げずに対話できるかを見る。売上はリーダー候補の一条件にはなりますが、リーダー育成では「自分ができる」から「人をできるようにする」へ視点を移せるかが重要です。
- Q3. リーダーになりたがらない優秀なメンバーには、どう声をかければいいですか?
-
優秀なメンバーがリーダーになりたがらない時、最初から「あなたならできるからやった方がいい」と説得するより、その人が何を不安に感じているのかを知ることが先です。主宰者から見ると、売上も実績もあり、お客様からも信頼されているため「もう十分できる」と見えます。一方で本人には、責任が増えること、人を育てられないこと、失敗して信用を失うこと、家族との時間が減ること、主宰者の期待に応えられないことなど、主宰者には見えていない恐怖があるかもしれません。まず「リーダーになるのが嫌?」と二択で聞くのではなく、「もし次の役割へ進むとしたら、何が一番気になる?」「逆に、進んだら叶えたいことはある?」と未来と不安の両方を聞いてみます。そして、リーダーになることを役職や責任の話だけで説明しないことも大切です。その人の経験を次の人へ手渡せること、自分がつくりたいチームを持てること、働き方や収入の可能性が広がること、応援したい人へさらに影響を届けられることなど、本人にとって意味のある未来まで一緒に描きます。それでも本人が「今はやらない」と決める可能性もあります。その選択まで尊重することが重要です。本人の代わりに決断してしまうと、壁にぶつかった時に「やらされた」という感情へ戻りやすくなるからです。主宰者ができるのは、可能性を伝え、未来を見せ、必要な経験を渡し、怖さを一緒に整理するところまで。最後に「私はやる」と決めるのは本人です。その決断を尊重すること自体が、自分の人生を自分で選ぶリーダーシップを育てる関わりになります。
- Q4. 自走するチームをつくるには、主宰者はどこまで任せればいいですか?
-
自走するチームをつくろうとして、いきなり「全部任せる」へ振り切る必要はありません。任せる範囲が大きすぎると、本人に判断経験がない場合は混乱し、失敗した本人も主宰者も「やっぱりまだ任せられない」という結論になりやすいからです。大切なのは、今の本人より少しだけ背伸びが必要な役割を渡すことです。たとえば、会議全体を任せる前に一つの議題だけ進行してもらう。新規事業を任せる前に、小さな企画のゴールと進め方を考えてもらう。新人全員を育ててもらう前に、一人のメンバーの相談役になってもらう。こうした小さな経験の中で、「どこまで自分で決めてよいか」という権限も明確にします。任せると言いながら、細部まで主宰者の許可が必要なら、本人は自分で判断できません。一方で、何も基準を渡さず「自由にやって」だけでは不安になります。そこで、ゴール、守るルール、使える予算、相談が必要な条件など、判断の枠を渡します。実践後は成果だけで評価せず、「何を見てその判断をした?」「どこで迷った?」「もう一度やるなら何を変える?」と振り返ります。自走とは、主宰者に一切相談しないことではありません。自分で考え、判断し、必要な場面では自分から相談し、止まってもまた戻れることです。主宰者が全部手放すことではなく、本人が扱える範囲を少しずつ広げていく。この積み重ねが、自分がいなくても前へ進めるチームにつながります。
- Q5. インストラクターや講師を「次のリーダー」へ育てるには何が必要ですか?
-
インストラクターや講師を次のリーダーへ育てる時に必要なのは、講座を正しく教えられるようにすることだけではありません。決められた内容を再現できることと、自分で状況を見て考え、企画し、人を育て、チームを動かせることは違います。まず、本人が自分で成果を出した経験を振り返り、「なぜできたのか」を言葉にする機会をつくります。次に、一人の後輩やメンバーを担当してもらい、自分とは違う人がどこで止まるのかを見る経験を持ちます。さらに、小さな企画を任せる、人前で教える、結果を振り返る、改善案を出すなど、少しずつ「自分の成果」から「チームの成果」へ視点を広げていきます。この過程では、主宰者が答えを渡しすぎないことも重要です。「どうしたらいいですか?」と聞かれた時に、すぐ正解を言うのではなく、「あなたはどう見ている?」「ゴールから考えると何が必要?」と本人の判断を先に聞きます。そして、リーダーになることが本人自身の未来とつながっているかも確認します。主宰者が必要だから昇格させるだけでは、本人の覚悟が育ちにくいからです。自分の経験を誰へ手渡したいのか、どんなチームをつくりたいのか、その立場になることでどんな未来を叶えたいのかを言語化する。その上で本人が決断し、怖さを越え、実際の役割を経験する。インストラクターを増やすことと伝承者を育てることは別です。次のリーダー育成では、知識、成果、判断経験、人材育成経験、本人の決断までを段階的に設計することが大切です。
自分がいなくても、次のリーダーが育つチームをつくりたい方へ
成果を出せる人はいる。
だけれども、その先のリーダーが育たない。
そんな時は、能力だけではなく、本人の「心が動く未来」「止まる理由」「決断の壁」まで見てみてください。
YELL’sでは、一人ひとりがどこで力を発揮し、どこで止まり、どんな役割と環境があれば次のステージへ進めるのかを見ながら、次世代リーダーが育つチームづくりを考えています。































