「頑張ってるのに、うまくならない」 「フィードバックをもらっても、何が違うのか分からない」 「“感覚を言語化して”と言われても、何を書けばいいの?」 もしこの状態に心当たりがあるなら、それは才能不足ではありません。 もっと根っこにある原因は、意外なところにあります。 それは——感じていないこと。 そして、感じていないから、言葉にならず、気づきが薄くなり、変化が起きない。 このループです。 この記事では、「感じない脳からの脱出」について。 感覚を取り戻すだけで、上達のスピードは変わります。
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💡ハイライト(この記事でわかること)
- なぜ「感覚を言語化」が難しく感じるのか
- 脳の半分はセンサーである、という前提
- 感覚と感情の違い(混ざると上達が止まる)
- オートスキルトレーニング2(感覚版)のやり方
「感じてない」ことに気づくのが最初の一歩
上達の話をするとき、多くの人は「意識して練習する」ことに意識が向きます。 でも、そこでつまずく人が多い。
「意識してるのにできない」「頑張ってるのに変わらない」—— その正体は、努力の量ではなく、意識の向き先がズレている可能性があります。
ズレの中心にあるのが「感じていない」という現象です。 ここで言う“感じていない”には、2種類あります。
- 感覚はあるけど、言語化できていない(なんか違う…が言葉にならない)
- そもそも感覚が湧いてこない(何がどう違うのか、まったく分からない)
苦手なことほど感覚が湧きにくい。 だからこそ、上達させたいのに、上達に必要な情報(感覚)が入ってこない。 この状態で「頑張る」を続けると、疲れるだけになりやすいのです。
脳はセンサー:感覚が弱いと全部がズレる
脳は「考える臓器」でもありますが、同時に「感じ取る臓器」でもあります。 外界の情報、身体の情報、相手の反応など—— まず入ってくるのはインプットであり、その入り口がセンサーです。
ここを一言で言うなら、 脳の半分はセンサー、半分はコンピューター。
センサーが鈍いままだと、次の工程(思考・判断・行動)もズレやすくなります。 なぜなら、入力がズレているのに、出力だけ綺麗にしようとしても限界があるから。
だから、上達したいなら、最初に鍛えるべきは「考える力」よりも 感じる力(センサー)です。
ここが腑に落ちると、日常の現象が一気につながります。
- 使いすぎの感覚がなくて、貯金が残らない
- 姿勢の崩れに気づけず、慢性的な肩こりが続く
- 相手の不快感に気づけず、コミュニケーションが噛み合わない
- 疲れすぎの予兆を拾えず、突然ダウンする
- 「なんとなく違う」が働かず、惜しいまま進んでしまう
これらは、性格問題というより「センサーの不調」で説明できるものが多い。 そしてセンサーは、鍛え直せます。
感覚と感情の違い:意識すべきは“感覚”
多くの人が「意識している」と思っているもの。 それが実は、感情になっていることがあります。
ここで区別したいのが、感覚と感情です。
感覚とは、物理的に起きていることをそのまま認識するものです。 例えば「寒い」「光がまぶしい」「音が大きい」「手に力が入った」「重心が左に乗っている」など。
感情とは、その出来事に意味づけをしたときに立ち上がる反応です。 例えば「寒くて嫌だ」「落ち着く」「不安」「イライラ」など。
感情が悪いわけではありません。 でも、上達を加速させたい場面では、まず感覚を拾う必要があります。
ここで混ざると、こうなります。
- 「できない…」というストレス(感情)が前に出て、感覚が見えなくなる
- 「頑張ってるのに…」という自己評価(感情)に意識が奪われ、観察が止まる
- 結果、言語化が弱くなり、気づきが薄くなり、フィードバックがかからない
上達しないループは、ここから生まれます。 だからこそ、今回のテーマはシンプルです。 感覚を取り戻す。
オートスキルトレーニング2:感覚を拾って差を検出する
感覚センサーを再起動するための実践が、オートスキルトレーニング2(感覚版)です。 形は同じ。ポイントだけ進化します。
手順(5ステップ)
- 「これをやりたい」を宣言する(おすすめ:得意なこと/体を使うことから)
- やる前に分解する(どうやったらできそうか、予測でOK)
- 1回やってみる(1回目は実験)
- どんな感覚だったか言語化する(感情ではなく、感覚)
- 同じことをもう1回やって、差を言語化する(さっきとどこが違う?)
最重要:脳は「差を検出する臓器」
感覚って「どうだった?」と聞かれても、ぼんやりしていると答えにくい。 でも脳は「差」を見つけるのが得意です。
だから、2回やる。 そして「1回目と2回目の差」を探す。 ここから感覚が掘れて、言葉が生まれて、上達が動き出します。
例:料理でやるなら
- 1回目:火加減、箸の動き、巻くタイミングを観察
- 言語化:「火が強かった」「手元が焦った」「巻く瞬間に力が入った」
- 2回目:同じ項目に注目して再実行
- 差の言語化:「火を弱めたら、巻くときの力が抜けた」「焦りが減った」
このプロセスは、仕事にもそのまま移植できます。 ライティングでも、セールスでも、SNS投稿でも、 「差が分かる人」ほど上達が早いからです。
よくある質問Q&A
Q1. 「感覚」と「感情」が混ざってしまいます
混ざって当然です。最初は区別できなくてOK。 まずは「これは感覚?感情?」と問いを立てることがセンサー再起動になります。
Q2. 苦手なことだと感覚が湧きません
苦手なことほど感覚が弱いのは自然です。 だから最初は「得意なこと」「体を使うこと」から始めるのが有効です。
Q3. 言語化がうまくできません
正解は不要です。「〜な気がした」で十分。 重要なのは“差”を言葉にすることです。
Q4. 2回やるのが面倒です
2回目が本番です。差が取れた瞬間、上達は加速します。 「差の検出」までを1セットと考えると続けやすくなります。
